「オリジナルの浴衣って、何枚から作ってもらえるんですか?」
電話でのお問い合わせでした。
詳しく話を聞くと、お客様は旅館を営んでいるとの事。
宿泊客へは浴衣を出しているのですが、定番サイズの浴衣が合わない模様。
「うちへ泊まるお客様はお年寄りが多いんです。なので定番サイズの浴衣だと大きくって困っているんです。ちょうどよいサイズの浴衣って出来ないものかと思ってお電話しました。」
定番の浴衣のサイズは、大:155cm、中:147cm。
洗濯後の縮みを考えると、大:140cm、中132cm。
大の適用身長は、163cm~173cm。
中の適用身長は、155cm~165cm。
浴衣を生地から作るとなると、最低でも100枚必要です。
「100枚ですか・・・・、それはちょっと多すぎます・・・・。」
もし宜しければ、定番の浴衣の中からお気に入りの物を選んでいただき、サイズの変更をいたしましようか?
そうすれば、必要な枚数だけ作ることができます。
業務用の旅館浴衣の大中小は、実は身丈の違いだけ。
身巾も袖もすべて同じサイズです。
なので必要な長さに裾を切って縫製しなおせば、サイズの異なる浴衣が出来上がります。
まず、ご希望のサイズを・・・
「すみません、何センチくらいがいいですかね?」
えっと、御使用される方ってどのくらいの身長が多いんですか?
「多分150cm前後ですかねぇ。」
じゃあ、150-28cm=122cm。縮みきって122cmになるには134cmくらい。135cmでどうでしょう?
「はいOKです。それでお願いいたします。」
※身長から28cm引いた寸法が、ちょうどよい浴衣の身丈です。
今回の御注文、枚数は10枚。
定番の浴衣を135cm上がりに変更します。
工程としては、裾のカットと縫製。
サイズネームの付け替えです。
作業工程自体は簡単です。
作業台に浴衣を置き、メジャーで寸法を測り、縫い代を含めた長さでカット。
そのあと衿裏に付いているサイズネームを取り外します。
そこまでできたら縫製屋さんへ。
旅館浴衣を専門に縫い上げる方にお願いして、裾縫いとネーム付けをやってもらいます。
プロの方の手際は早い、早い。
1日かからずあっという間にやってくれました。
「ちょうど手が空いてたからすぐやったけど、普段はもう少し時間を見てね。」
はい、ありがとうございます。気をつけます・・
きれいに裾を仕上げてくれています。
これなら定番浴衣に負けないくらい。
早速お客様へお送りいたしました。
今回、定番浴衣30枚、サイズ変更分10枚。
ご注文確定後から約4日で発送できました。
浜松の良い所は、業務用の加工のプロがすぐそばにいること。
今回も、大変お客様に喜んでいただくことができました。