イベント用に作った本格的な陣羽織を納品後、お客様から連絡がありました。
「陣羽織を着る実行委員会の名前をどこかに付けたいんだけど・・・」
確かに陣羽織だけ羽織ったままでは、単なるコスプレとみなされてしまいます。
でももう完成した物に手を加えるとなると、加工方法はかなり限られてしまいます。
しかも陣羽織の生地はポリ100%のサテン生地。
普通のシルクスクリーンプリントでは、顔料が乗りません。
色々と考えた結果、じゃあ何か名前の書いてある物をプラスしようとなりました。
さて一体どんなものが良いのでしょうか・・・
見本を作りながら具合を見ていくことにします。
最初に思ったのは「半袈裟」です。
前に垂れる部分に会の名前をプリントしようと思いました。
下の紐を結べばずれにくくなりますし。
これで決定!、と思ったのですが、やはり華やかなイベントで”仏”関係の物はあまり良くないのではとの意見もあり、却下。
「いっそシンプルに名札を付けましょう」となり、大きさ縫い方の見本として、またまた試作品を作成。
実際の陣羽織と合わせながら、名札の大きさ、生地は二重にすることなど細かい所が決まりました。
ここまできたら、後はスピードを上げて製作開始です。
生地は伝統的な綿織物「遠州縞」を使います。
生地が来たら裁断開始。
それと同時にプリント用の型の作成にも入ります。
イラストレーターでデザインを作り、型制作の職人さんへ渡します。
裁断が終わったら型の完成を待ち、型が出来次第プリントです。
プリントが済んでから縫製。
これで奇麗な名札が完成です。
今回、完成までに試作品を二種類作りました。
一見手間がかかるように思われますが、実物があった方がデザインも大きさも早く決まります。またその後の段取りも早くなります。
遠回りかもしれませんが、失敗が少なくて一番早い方法でした。
出来上がりまで約二週間。
お客様も納得できる物が出来上がりました。