旅館やホテルで使われるシーツやカバーは、基本的にファスナーやボタンはついていません。
これは、洗濯を担当するクリーニング屋(リネンサプライ)での仕上げが、ローラー式のアイロンのため、ファスナーやボタンだとローラーで潰れてしまうからです。
「ファスナー付きの布団カバ―はあります?」
ある研修施設様からのお問い合わせをいただきました。
ファスナーがあると仕上げの時に潰れてしまうのでは?と思いながらも話を聞いていると、クリーニング屋さんも了解していて、使い勝手を優先してファスナー付きが欲しいとの事。
うーん・・・業務用の定番品は、ファスナーやボタンが付いていません。
御希望されている掛け布団カバ―では、カバーの中心から布団を出し入れする「丸グリ型」が一般的です。
もう一つは、毛布や夏布団のような薄手の物に使う「包布」と呼ばれる横紐タイプです。
じゃあ、別注で作った方が早いのでは。
では何枚くらいの御希望ですか?
「10枚くらいですができますか?」
10枚でも出来ますが、生地を在庫の有る生地から選んでいただく事になります。
一般的に布団カバーに使われるのは、薄手で丈夫なブロード生地です。
一般用の布団カバーは180本ですが、業務用は186本、205本と糸の打ち込み本数が多い生地を使います。
定番の186本TCブロードか、205本綿ブロード、もしくはカバーには少々厚いのですが、20/20のシーチング生地を使うのも有りです。
あと仕立てですが、全体的なサイズは希望通りに出来るのですが、ファスナーの長さは定番品のファスナーの長さに合わせてもらいます。
定番品でないと、ファスナーまで別注となり必要ロットが出てきてしまいます。
メールにてサイズや仕様を煮詰めて行きます。
形を書いて、寸法を入れて何度もやり取りを繰り返しました。
それと同時に、生地サンプルを送り、生地を選んでいただきます。
また小さな生地サンプルではわからないとのことで、定番品の中からTC186本、205本綿のカバーを送り、実際に見てもらいました。
生地も納得、仕様も納得。
全てに納得いただいてから、製作を開始です。
実際に作り始めると、あとはスムーズに進みます。
生地を裁断し、布団カバー専門の縫製屋さんにて縫製。
今回は受注後、約2週間で出来上がりました。
ちょうど色々なタイミングが合い、他の注文の隙間を縫って出来た感じ。
でも本来でも1カ月はかかりません。
地元浜松には、業務用の専門職が集まっています。
今回も業務用の布団カバー専門の縫製屋さんに大分助けられました。
弊社が浜松にあるのは、とても幸運な事です。
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