一般的な夏祭りや花火大会の時に着る「本仕立て」の浴衣と、旅館やホテルなどに泊まった時に提供される「寝巻仕立て」の浴衣の具体的な違いをあげてみました。
屋外で着るのが「本仕立て浴衣」、室内で着るのが「寝巻仕立て浴衣」と
覚えていただければ簡単です。
ここからは、仕立ての違いについてご紹介します。
衿が違います
本仕立ての衿は、幅が広く作られています。
衿がまっすぐにきれいに見えると、とても奇麗な着姿になります。
また男性用よりも女性用の方が衿巾が広くなっています。
寝巻仕立ての衿は、巾が5cmほどしかなく、また芯も入っていないため柔らかいのが特徴です。
巾が狭いのは、生地の無駄を少なくするため。この幅で取ると、同時に掛け衿、力布まで取れる良く考えられた寸法です。
また寝巻として使われる事から、見た目よりも着心地を優先させています。
袖が違います
本仕立ての浴衣は、袂があるのが特徴です。
ゆったりとした袂は、シルエットをすっきりさせます。
また女性用は脇の所に八つ口が空いています。
女性用と男性用では帯の締める位置が違うため、女性用はこの八つ口で力を上手く逃がして動きやすく着くずれしにくくしています。
寝巻仕立ての浴衣は、袂がありません。基本的に筒袖です。
筒袖は水はけが良く、ゴミもたまらないので毎日洗濯する寝巻浴衣にとっては最適な形です。
また、脇の付け根に力布が付いているのも特徴です。
奥身が違います
本仕立ての場合、身ごろと奥身の縫い合わせは、幅広く取ってあります。
縫い合わせが広いため、しわになりにくくすっきりと着る事ができます。
本仕立ての場合、奥身は小幅生地の半分になります。
寝巻仕立ての場合、身ごろと奥身の縫い合わせは、縫い代1cmくらいしかありません。
そのため柔らかなしあがりとなりますが、しわになりやすい事も否めません。
寝巻仕立ての場合、奥身は小幅生地の1/3です。ですが縫い合わせが少ないため、左右の重なりは大きくなります。