江ノ島にある旅館”恵比寿屋”様は、以前茶羽織半天を作りたいとのお話をいただいたお客様です。
残念ながら、茶羽織半天の話はまとまりませんでしたが、その際に担当の方が弊社を気に入ってくださり、浴衣を作る話が上がってきた時に声をかけてくださいました。
湘南江ノ島 恵比寿屋:http://www.ebisuyaryokan.jp/
今回の浴衣のお話は、今までと違う完全オリジナル柄での浴衣です。
もちろん、旅館浴衣となりますので、生地も染めも仕立も決まっています。
後は、デザインをどうするか・・・・
と、お客様がこんな感じで、と画像を送って来てくださいました。
お客様がイメージを送ってくださったので、とても助かりました。
ご要望をまとめると、
1、市松模様
2、波のデザインを入れる
3、”恵比寿屋”の名前を入れる
では、写真とご要望をいれて叩き台のデザインを社内で作りました。
これを基に話を進めていきます。
一応、デザイン案を3つ。
型の送りが39cmなので、それに合わせてデザインを作ります。
今回は市松柄なので、均等に市松が来るようにするには、どうしても大きさが限られてしまいます。
大きい方が良いのか、それとも小さい方が良いのか。
お客様に聞いた所、その中間の大きさが良いとのこと・・
「えー・・・、大きさが限られるんだぁ。じゃあ小さい方で。後は波のデザインは青海波がいいなぁ。」
お客様からは、デザイン案2をベースにするようお話をいただきました。
では、このデザイン案2を発展させるよう、プロのデザイナーにお願いします。
「うーん・・・、この市松を45度斜めにしたのを見たいなぁ。」
はい、市松を斜めに、と。
「後、”江の島”の文字も入れてくれる?それと文字がはっきりするように何か。」
わかりました、江の島を入れて、市松の斜めのデザインも、それと文字ですね。
「うん、ありがとう。やっぱり斜めの方が良いね。で、この市松だけど、青海波の部分をもっと少なく出来る?できれば2つくらいが良いんだけど。」
やはり形にしてみないとわかりにくい部分があります。
デザインを見て、修正をし、またデザインをする。
お客様とのやり取りで、ようやくデザインが完成いたしました。
デザインが出来上がったので、ようやく正式に受注をいただきました。
後、気をつけるのは、「できるだけ黒に近い紺色で!」との事。
定番プリント色に”黒紺”というものがあります。
黒紺がプリントされた生地見本を送って、色もOKをいただきました。
デザイン、色が決まり、あとは仕立寸法。
今回は女性用に使いたい、とのことで寸法を提案し、サイズネームも赤いものを使います。
型が出来上がってくる前に、枚数、寸法など必要な事項が決まりました。
あとはどんどん作っていくのみです。
今回、ちょっと失敗したのは、完成品の浴衣の画像が撮れなかったこと・・・
なので、生地の画像で申し訳ありません。
もちろん、納品は仕立て上がった浴衣です。
デザインが決定するまで、約半年かけただけあって、お客様も納得の出来上がりでした。
型はきちんと保管されているので、追加の時にはすぐにお作りできます。
昔ながらの柄ですが、この柄は末永く使えるとても良い柄です。
また新しい浴衣を作らせていただいたことに、感謝致します。
江ノ島 恵比寿屋