「旅館浴衣の帯」というと一番イメージされやすい帯である「浴衣平帯」。
安価な帯のため日本中で使われている帯なのですが、実はこの帯を作っているのは浜松市内の工場です。
繊維製品は、「織物」「編み物」「組物」の三種類に別れます。
この帯は、「組物」に分類されます。「組物」は組紐の様に、紐やベルトのような細くて耐久性が求められる物を作るのによく用いられます。
旅館浴衣というと白地に紺色のデザイン、というのが一般的なイメージですが、それによく合う帯はというとこちらの平帯。
浴衣を着る人を選ばず、また浴衣のデザインも選ばずに、どんなものでも無難にまとめてしまうデザイン性は、とても良くできたものです。
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実は個人的に一押しの帯がこちらの平帯です。
キモノを着慣れている方だったら、この帯の使いやすさがよく分かるはず。結びやすくて緩みにくく、解く時はほどきやすい、三拍子そろった帯です。結ぶ時に「貝の口」で結べば、より完璧。着姿がとても粋に見えます。
ただ普通にお腹のところで蝶結びしてしまうと、けっこう使いにくい帯でもあります。
なので最近は、少々高くても柔らかくて結びやすい「織物」生地を使った帯を選ぶところも多くなっています。
この平帯ができたのは、まだキモノがよく着られていた時代です。
ですのでキモノを着慣れた人に合わせて作られた事が想像できます。