捺染とはプリントの事です。
型に顔料を付けて布に柄を移すことです。機械捺染の他に手捺染があり、手捺染は伝統的な技法となります。
浴衣生地をプリントするときの方法
1、四角い枠のシルクスクリーン型でプリントする
2、円筒形の型でプリントする
円筒形の型でプリントする場合、その型の形状で
・金属ロール
・ロータリースクリーン
こちらの二種類に分かれます。この「金属ロール」と「ロータリースクリーン」がどう違い、どのように区別して使われているのか、実はキチンと知っている人はあまりいません。
金属ロール
金属ロールとは、文字通り円筒形の金属の型に彫ったものです。
柄となる部分は金属の凹みになり、そこに顔料が入り、それを生地に押し付けることによって、柄がプリントされます。
ロータリースクリーン
シルクスクリーンを円筒形に丸めたものが、ロータリースクリーンです。
柄となる部分には穴が開いています。ロータリースクリーンの内側を顔料が流れ、生地にプリントされます。
実際にどのようなプリントの違いがあるかというと、白地に1色くらいのデザインですと出来上がりに対しての差はそれほどありません。
ただ2色、3色使う場合、濃い色同士がくっついているような物(紺と赤が隣り合わせている、ような)は、金属ロールでは出来ずロータリースクリーンになります。
2型以上の型の同期は、ロータリースクリーンの方が得意であり上手にプリントも出来ます。
また使用できる色数ですが、
金属ロール:2色まで
ロータリースクリーン:8色まで
※色数が増えると、浴衣単価、制作枚数が上がります。
デザインは同じ柄が繰り返し続くようなデザインとなるのですが、その送りの長さは型の円周になります。
ロータリースクリーンは約64cmと決まっていますが、金属ロールは基本的に38cm、それより太い太インチ(58cm)、中には90cmのものを扱うプリント工場もあります。
浴衣の生地の基本は、小巾生地です(36cm,もしくは38cm)。それより広い、72cm、108cmは広巾生地と呼ばれます。
小巾生地をプリントする場合、プリント速度が早くてプリント工賃が安いのは「金属ロール」。
広巾生地は早いけど小巾生地はプリント速度が遅く、プリント工賃が高いのが「ロータリースクリーン」。
染め型の価格ですが、実2017年までは金属ロールの方がロータリースクリーンよりも安くできました。
ところが2018年3月頃に金属ロール型の仕上げ加工を行っていた工場が社長の高齢化のため閉鎖してしまい、別の加工工場に加工を変更したところ金属ロールの方が高くなってしまいました。
(金属ロール 型:35000円から50000円へ)
実は今までの型の制作加工費が標準的な加工賃よりもいかに安かったのかがわかりました。
2018年以前は、できるだけ安く浴衣価格を抑えたい場合におすすめしていたのが、小巾生地を使っての金属ロールプリントでした。
生地代:小巾生地 < 広巾生地
プリント代:金属ロール < ロータリースクリーン
型代:金属ロール < ロータリースクリーン
縫製代:小巾生地 < 広巾生地
※できるデザインの制約はあります。
2018年以降は、以下のようになりました。
生地代:小巾生地 < 広巾生地
プリント代:金属ロール < ロータリースクリーン
型代:金属ロール > ロータリースクリーン
縫製代:小巾生地 < 広巾生地
また上記の条件の他に、「プリント単価の上昇」「小巾生地の生産量低下」 と言ったこともかさなり、現在一概に金属ロールで浴衣を作ったほうが安い、とは言えなくなっています。
弊社では、
- 希望されるデザイン
- 納期
- 数量
弊社ではこれらの条件に、製品の合計金額を考えて、「金属ロール」か「ロータリースクリーン」なのかをご提案いたしています。