旅館の浴衣や、タオル、シーツ、布団カバーなどをリネンサプライ向けに販売している問屋さんとの話。
この中国製の浴衣、派手ですね。でもこの色使いとか、デザインとかだと、洗濯したらすぐに白く毛羽立っちゃうんじゃないですか?
「そうそう、こんな柄すぐに汚くなっちゃうよ。けどこうゆう柄が良いってお客さん結構いるからね。」
昔の旅館さんやホテルのオーナーさんじゃないでしょ。
「うん、若いオーナーだとこうゆう柄が良いんだって。こうゆう柄の浴衣集めて”お好きな浴衣を選べます”ってやるんだって」
お好きな柄っていうか、あまり色落ちとか毛羽立ちとかしていない、まともそうな浴衣を選んでいたりして(笑)
「そうだよね、あんまり汚い浴衣(見た目)だと、着たくないよね。」
そういえば、最近観光地や温泉地で「浴衣が似合う街」とか「浴衣を着て街を歩こう」とかやっているけど、あれってどうかなって思いますね。だってきちんとした浴衣を着たこともない人が言っているでしょ。
「そうそう、この間もある温泉地でポリエステルの本仕立て浴衣の貸し出しをして、それで街中をあるこうって企画があって。」
えー、ポリエステルの浴衣を着るって拷問みたいですよ。
「けど貸し出す方としたら、丈夫で洗濯しやすいし長持ちするからってことだからね」
せめて”城崎温泉の”旅館ごとのオリジナルの浴衣で街を歩こう”、みたいなことしないんですかね。
「無理じゃないかなぁ。城崎温泉だってリネンサプライからレンタルしている旅館もあるだろうし、でもリネンサプライも温泉の事情をよくわかっていて協力しているじゃないかな。他の温泉地だとリネンサプライ同士の値段の下げ合いがあるから、そうそうオリジナルの浴衣を作るなんてこと出来ないと思うよ。」
そうですよね。リネンサプライと旅館・ホテルの信頼関係も薄くなっていますからね。
問屋ってある意味プロフェッショナルなわけで、品質についてはやはりきちんとした物がありますが、最近それが求められなくなっています。まぁいくら専門的な知識を持っていても、聞かれなければ言いません。やはりそこは買う側も知識が必要です。まして旅館やホテルのオーナーさんともなれば、問屋並みの知識は必要です。というか持っていなければ変なものを買ってしまい、自身が損をしてしまいます。
とまぁ、同業者同士で愚痴の言い合いをすることの増えてきた昨今、なんとかならないかなぁ。