上に羽織る防寒着として半天とか丹前とかありますが、その違いは
丹前:ヒザ下くらいまで丈のあるもの
半天:腰のあたりまでしか丈がないもの
陣羽織:丈は腰のあたり、袖なし
そうは言ってもその他人毎にものの言い方は違いますので、丹前と言っていても半天のことだったり、半天と言っても陣羽織のことだったりします。
なのでお問い合わせいただいた際に、よくよく話を聞いて商品を提案します。
その丹前の話。
今年は暖冬ですが、それなりに寒い日も多くなってきました。
そうなると丹前のいご注文をたくさんいただきます。
中でも多いのが、二重ウールの丹前です。
業務用として、旅館・ホテルでも使われていた商品で、薄い割に暖かく、また耐久性もあってとても使いやすい商品です。
ウールは暖かくて丈夫なとても良い素材です。
ですが、最近は国内への入荷量も減り、また加工をする工場も少なくなってきていますので、貴重な存在になりつつあります。実際、業務用としてウールの半天や丹前を作ろうと思ったら、時間も手間もかかります。
上記の商品は、昔作って在庫となったもの。
まだ良い品質のウールがふんだんに入ってきた頃の商品で、とても良い品質です。
織りも二重織りと言って、表面と裏地が違う柄で織られています(表は縞柄、裏は黒)
二重織り、という名前通り、普通の織り方よりも厚めです。
厚い分、それだけ温かいのです。
実際の話、旅館やホテルで使う業務用の半天や丹前用の生地を織る工場は、日本に数件しか残っていません。そしてその織工場も年金をもらっているような年齢の方が操業しています。
少し前は、「オタクは高いね。まぁいいや、他にも工場はあるんだし、よそでやるよ」と言った話をよく耳にしました。
今はそんなことは通用しません。他がないのです。
逆に、「え、急ぎの仕事?うちはやらないからよそでやって。」「値段安いねぇ、うちじゃあ出来ないからよそに当たって。」
そんなふうに工場から言われます。よそで、と言ってもそのよそはありません。
ホント、物が作れない状況が今来てしまいました。
そんな中のこの丹前。
在庫限りの商品ですが、とても貴重なあるだけしか手に入らない商品です。