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オリジナルハンカチの制作について

弊社では、様々なオリジナルの製品を作成しております。

 

「オリジナル商品を作りたい!」とお問い合わせいただく商品の中で多いのが、”ハンカチ”です。

 

問い合わせしてくるお客様の考えでは、「ハンカチは生地の四隅を縫うだけだから簡単でしょ。価格も安くできるし、みんな持ち歩いているし、センスよく作ればたくさん売れるでしょ。」

こんな感じで話をいただきます。

 

 

ですが、ハンカチって、実はかなり大変な商品なのです。

 

 

オリジナルハンカチ

ハンカチは、正方形です。

布ですから多少のズレはありますが、ほぼ正方形に仕立て上げられます。

 

ハンカチに使われる布は、織物がほとんどです。

織物ですので縦糸と横糸があります。

布は洗うと縮みます。縦糸と横糸の縮みは異なります。まして小さく切って使う場合、洗った場合の歪みが大きく出てしまいます。

なので、基本的にハンカチに使われる生地は、ハンカチ専用に織っています。

 

 

「この生地でハンカチ作って。」って生地を持ち込みでお話される方がいらっしゃいますが、持ち込まれた生地はハンカチにしたところで間違いなく歪みます。最初から歪んで不良品になるのがわかっていて、仕事を引き受ける人は居ません。

 

オリジナルハンカチ制作の場合は、弊社が用意した生地で作ります。

それ以外の生地ではお受けいたしません。

 

 

 

オリジナルハンカチ 制作

上の写真のとおり、ハンカチの三巻きはとても細い三巻きです。

三巻きの巾は、だいたい5mmくらい。

 

三巻きをするときには、ミシンにラッパと呼ばれる治具を付けます。ラッパは、それぞれ1.5cm用だったり、2cm用だったりと三巻きの巾専用になっています。もちろんハンカチ用の5mmのラッパもありますが、結局のところ真っ直ぐに縫うのは、縫う人の技量となります。

 

5mmの三巻き、目の良い人でないと縫えません。

 

 

若い人が縫うのが一番なのですが、当初にも書いたようにハンカチは低価格で売られていることの多い商品です。

縫製料もかなり抑えられます。まして海外から大量の安価な製品が入ってくる中、日本国内では少量低価格が求められているわけで、若い人は他の仕事に移っていきます。

 

 

実際、地元浜松の縫製屋さんでもハンカチ用の治具をもってやっていたところもあるのですが、仕事が定期的に無い上に工賃が安すぎ、ということでハンカチは辞めてしまいました。

 

 

 

よくある商社(自身はメーカーだと言っているところが多いのですが)からの問合せ。

 

「今後、年間5,000枚の製造を考えているんだけど、とりあえず30枚作ってくれない?もちろん先行量産品として価格は5,000枚のときと同じ価格で。」

「え、そんなに高いの!?いいよ。オタクはその価格というわけだね。うん、わかった、わかった。また何かありましたら連絡します」

 

 

ほとんどの会社が、売値を決めてから連絡をくれます。

なので、ちょっと頭おかしいんじゃないの?ってくらいの縫製料を提示してきます。

 

また本人たちは「こんなにたくさんの注文なんだから!!」と言ってきますが、製造側からしたら「それっぽっち?」という数だったりします。(指摘すると怒ります)

 

 

今、日本国内では実際に手を動かしてモノを作っている人が、とても少なくなっています。

作れる人にお願いして作ってもらうようになってきてもいます。

 

以前のように、「注文する側(客)がえらいんだ!」という考えでは、物は作れない状況ということを理解してほしいと思います。