子供用の浴衣帯を作っている帯工場から、「帯生地の生産が無くなったので、今あるだけで終わり」との連絡がありました。
対象商品は、「業務用 子供用兵児帯 ナイロンサッカー生地」です。
種類は、”ブルー””ピンク””グリーン”の三種類。
それぞれ在庫は、すでに100本を切っているとのこと。
(弊社だけでなく、他の会社もそこから仕入れていますので、現時点での正確な在庫はわかりません)
この「ナイロンサッカー生地」を作っている織工場が閉鎖となったとのことです。
「じゃあ他の工場で織ってもらえばいいんじゃない?工場なんていくらでもあるでしょ。」
よくこうゆう事を言われますが、実は他はありません。
以前、それまでナイロンサッカー生地を織っていた工場が閉鎖したとき、代わりの工場を求めて探しまくり、ようやく見つけた工場です。今また探して、他の工場があるのかというと、ちょっと見つける自信はありません。
ナイロンサッカーとは、表面が凸凹しています。
織り方で凸凹を作っていて、点で肌に接することとなるため、とてもサラサラした肌触りになります。
またポリエステル100%のため、耐久性があり、汚れもつきにくく、業務用として使うにはピッタリの生地でした。
最近繊維関係の工場が無くなることが目についてくるようになりました。
なぜ目につくかというと、他の工場では代わりができない分野の工場だからです。
閉鎖の理由は「高齢化」。 もう身体が大変だから、90歳を超えたから、と言った理由がほとんどです。
繊維関係はとても工賃が安く、別に収入がないととてもやっていけない所がほとんどです。
別の収入として、年金があるのですが、年金で暮らせるから安い工賃でも良いよ、と安く受けている工場が多いのも問題です。
物を作るにはお金がかかるのですが、そのお金をできるだけ値切るのが当たり前の社会のツケが今来ています。
あと数年したら、もう手に入らないものがたくさん出てきてしまうでしょう。
本当に困ったことになりました。