静岡県浜松市近辺には繊維関係の神社が数多くあります。
東区豊町の服織神社や北区引佐町の蜂前神社など、昔から繊維関連の産業が盛んであったことがよくわかります。
中でも浜松市北区三ヶ日町には”初生衣神社”という、天棚機姫を祀る織物の神社があります。
数年前に色々とあり、神主さんが居なくなってしまったこの神社。今では近くの浜名惣社の宮司さんが兼任してくださっています。その浜名惣社の宮司さんの呼びかけで、荒れ放題であった初生衣神社の清掃を月一回行っております。
弊社も繊維業者の一つ。
織物の神様が廃れるのは見ていて心痛い光景でしたので、清掃をやることになったと聞いたときから、できるだけ参加させていただいております。
7月の最終日曜日、清掃活動を行うとのことで参加をさせていただいてきました。
こちらの初生衣神社、「浜松織物発祥の地」として語られていますが、実際は違います。
初生衣神社は、奥三河で製糸された絹糸を織る場所です。織られた絹織物は、豊橋市の港から伊勢神宮に送られます。「神衣」と呼ばれる特別な生地です。
一方、浜松の織物は、戦国時代までは麻、江戸時代以降は木綿。絹とは全く異なる繊維です。繊維が異なると織り方も違います。まして初生衣神社の織物は、奥三河から来て三河から出ていきます。遠州(浜松)には関係ありません。
結局、浜松市の繊維産業が箔をつけるため、初生衣神社を利用した、そして歴史を改編したのが今の流れです。
すごいね、自分たちの利益のために、神様を変えちゃうんだ。
まぁここらへんの流れには、個人的に関わりたくはありませんので。
今年は梅雨が長く、梅雨が開けたらすぐに台風が来ました。
境内は落ち葉がたくさん積もっています。それを竹箒で集めていくのですが、暑い。とても暑い。
けどその暑さよりも辛いのは、”ヤブ蚊”。とにかく蚊がすごい。一緒に清掃していた方は、顔に5、6箇所さされてしまっていました。
これから清掃がもっと進めば、蚊も減るのかな。
夏の間はマムシの心配もあるので竹林には入りませんが、冬の間にもっと竹を間引きして環境を整えたいと思います。
こうやって織物の神様の御縁をいただけたことは、本当に感謝しかありません。