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見積り依頼の時の枚数

「オリジナルで浴衣を作りたいのですが・・・」

 

 とお問い合わせをたくさんいただいておりますが、その際にちょっと思ったことです。

 

 

お見積りの時には、実際にほしい枚数を教えて下さい。

 

 

正確に何枚、じゃなくてもよいです。

10枚くらいなのか、30枚くらいなのか、それとも100枚くらいなのか。

そのくらいのざっくりした数でかまいません。

 

 

と言うのも、「とりあえず最小枚数で見積もりをお願いします。」

と言われると(実際によく言われるのですが)、一番高い価格で見積をするしかありません。

そうなりますと、実際にほしい見積り金額と大きくかけ離れ他金額になってしまい、見積もりの意味が無くなるからです

 

 

 

簡単に言いますと、

 

旅館浴衣の場合、最小枚数は1枚からできます。

でも1枚ですと、1万円/枚前後になってしまいます。

じゃあもう少し多く、と言って10枚くらいでとなると、5~6千円/枚になります。

 

本仕立ての浴衣の場合も最小ロットは1枚からです。

1枚からとなると、インクジェットでプリントすることになり、30,000円/枚前後となります。

これが12枚くらいからだと注染でできることになり、10,000円/枚前後とぐっと下がります。

 

 

 

生地を染めたりプリントするには人件費がかかります。

なので、ある程度の枚数が無いと、価格は下がりません。

 

 

旅館浴衣に使われる、ディクセル方式顔料プリントは機械でプリントされます。

 

プリント用の型をセットし、生地にプリントするには30分以上かかります。

前についていた型を取り外し、顔料の残りが無いようにすべて洗浄。

部品を外して、残った顔料が絶対にないように、徹底的に洗浄します。

その後、部品を取り付け、型をセットし、かく部分のバランスをとり、いらない布で試しプリント。

すべてがOKとなったら、本番となります。

 

ここまでやって、1枚分の生地をプリントするとしたら、それはそこそこの金額となります。

 

で、1枚分プリントされた生地を、裁断縫製です。

本来なら数十枚分をいっぺんに機械で裁断するところを、ハサミで裁断します。

縫製も通常は部品ごとにまとめて仕上げて、最後に縫い合わせるのですが、1枚だけ部品をつくり縫い合わせます。

 

 

ここまでの工程を考えても、1枚だけ作ると高価になってしまうのは納得していただけると思います。

 

要は大量生産の工程を使って1枚だけ仕上げるわけですから、無駄が多くなってしまうということです。

 

 

よくある見積り依頼のパターンとして、

 

「最小枚数でとりあえず価格を教えて下さい。その価格を見て枚数を決めます。」

 

 

このパターンですと、まず話が決まりません。

というか浴衣を作るという案件そのものが無くなる場合が多いようです。

 

 

 

モノを作る場合、どんなモノをどのくらい必要か、これが重要になってきます。

でも今の時代、いくらでできるのか、これが先に立つようです。

まだデザインや仕様、枚数が決まっていないうちに、いくらでできる? と言われますが、それじゃあこちらもきちんとしたお答えはできません。

 

せめて、どんな物がどのくらい欲しいのか、それだけでも教えて下さい。

それが決まっていない場合は、弊社へご相談の連絡を下さい。

できる限りご相談をお受けいたします。ご相談料は無料ですので(笑)