弊社のお客様でもある、尾上部屋の里山関の引退、佐ノ山親方襲名の引退相撲に行ってきました。
力士生活17年。
どちらかというと大きな体ではなかったのですが、多彩な技を駆使して勤め上げた里山関です。
本日、断髪式ということで、感無量です。
場所は両国国技館。
両国駅を降りたら、長い長い人の列。
里山関が、たくさんの人に愛されていることがよくわかります。
今年の春に里山関から声をかけてくださり、この引退相撲の時の浴衣の注文をいただきました。
国技館に到着すると、尾上部屋の力士はみなさん、ウチで作った浴衣を着てくださっています。
いやいや、このために作った浴衣ですので当たり前の事でしょうが、実際に来ている姿を拝見するのはとてもうれしい。
作り手冥利に尽きるという事はこのことです。
春に声をかけてくださってから、デザインこそ里山関から出してもらったのですが、色や配置、浴衣にするためのデザインの変更など、細かく打ち合わせをこなし、生地を仕立てました。
※弊社では、浴衣の反物を作って納めています。仕立てはそれぞれ力士ごとに決まった和裁士さんがいるので、その方が仕立てます。
デザインが決まってから、もちろん工場にて色を確認。プリントの立ち合いを行い、無事に反物を納めさせていただけたことを思い出します。
実はこのような式は初めて。
国技館の席に腰を下ろし土俵を見ていると、いろいろとイベントが行われていきます。
髪結いの実演、相撲甚句、初っ切り。十両力士の相撲などなど・・・
なるほど、巡業の時と同じような進行で、その中に里山関の引退関連の行事が組み込まれているんですね。
あ、土俵脇でいろいろと世話をする人たちも、里山関の浴衣を着ている(喜)
やがて時間は過ぎ、土俵には赤い布が引かれ、断髪式が始まりました。
その前にも、最後の土俵入り、最後の試合(息子さんと)が行われてはいましたので、いよいよ来るものが来たという感じでした。
断髪式は「四方回転式」だそうで、四方向すべてに回って行われます。
大体、一方向20~30人くらいでしょうか。
本当にたくさんの方々が里山関の大銀杏に鋏を入れていきました。
そして最後に近づくにつれて、相撲関係の方々、現役の横綱が鋏を入れていきます。
白鷗、鶴竜、稀勢の里・・・やはり有名力士が鋏を入れるときには、場内が盛り上がります。
翌日は、稀勢の里の断髪式だそうで、その際にはもっとすごいのかな・・・
断髪式の最後は、尾上親方が髷を切り落とし、挨拶をいたしました。
里山関、本当にお疲れさまでした。
場内からたくさんの声がかかりました。
目頭が熱くなるような光景です。
現役を引退したとはいえ、これからも尾上部屋で後進の指導にあたるとのこと。
また部屋に伺えは、元気な姿を拝見できるでしょう。
この後は、幕内力士の相撲でした。
うん、これも巡業の時みたい。
やはり上記にも書きましたが、自分が手掛けた浴衣が使われている姿を見るのは、本当にうれしいことです。
で、その話を職人さんたちにもするのですが、皆さんとても喜んでくれます。
今回も写真もたくさん撮ってきましたので、工場の職人さんたちにも見せいたと思います。
また、初めての引退相撲公演、とても楽しい経験でした。
一ファンとして、これからも相撲を応援していきたいと思います。