「業務用の羽織」というと、旅館やホテルなどで宿泊したときに浴衣と一緒に出される、半天、半纏、茶羽織・・・いろいろな呼び方がありますが、下の写真のように浴衣の上に着る防寒目的の羽織の事です。
この防寒用の羽織ですが、昔から使われており一番質の良い物は「ウール100%」
一般的な二重織(一度に表は柄、裏は無地の黒の生地を織る技術)も良いのですが、立体的に織り上げた「アムンゼン織」ですと空気もたくさん含んでとても暖かく着ることができます。
ウールの特性として、空気が通ると発熱します。なので北ヨーロッパの漁師さんたちの伝統的な仕事着として使われています。
また天然の油分があり、汚れが染みこみにくくなっています。
薄くて軽くて暖かく、汚れが付きにくく、また皴が付きにくい。
業務用として、とても適した素材です。
が、最近の旅館・ホテルではあまり使われなくなっています。
それは安価なポリエステル100%生地を使った製品が多く出てきたから。
ポリエステル100%の生地は、安価であり、またウールよりも軽いのが特徴です。
ですがウールほどの保温性は無く、また皴になると伸びにくいという欠点もあります。
最近、旅館・ホテルの方々からよく言われるのは、「暖かい綿入りの物はありますか?」
もちろんありますが、業務用ではありません。
綿入り半天を業務用として使った場合、使っているうちに綿が偏ったり固くなったりと長く使えません。
お客様からの要望なので、そのまま一般販売用の綿入り半天を勧めても良いのですが、業務用として劣るものを業務用として販売するのは弊社の理念に外れます。
どうしても、というお客様には、裏地にキルトがついたものをお勧めいたします。
キルトなら縫い目が縦横に走っているので、ある程度の耐久性があります。
ざっくりというと、
1、ウール
2、ウールと化繊の混紡
3、裏地キルト
4、ポリエステル
2番の、ウールと化繊の混紡は、アクリル混紡が一般的です。
アクリルは、ウールを目指して作られた化繊です。
(絹を目指して作られたのがポリエステル)
天然素材ではないので暖かさはウールと比べて劣りますが、高い耐久性があります。
羽織の素材については、大体上記のような感じです。
これを基本として、オリジナルの羽織をお作りしております。