いつも、弊社をご愛好いただき、誠にありがとうございます。
勝手ながら、下記の通り冬期休暇をいたします。
12/28 ~ 1/5
2020年は、1/6から営業をいたします。
と、言いつつ、このブログを書いているのが12/30という事からもわかるように、会社は休み中も誰かいたりします。
多少の事なら対応いたしますので、何かございましたらご連絡ください。
電話をいただけるのが、一番早いかと思われます。
今年を振り返ると、今年も繊維関連の多くの会社が廃業いたしました。
繊維産業は、細分化された専門工場が集まって形を成しています。製品が出来上がるまでに、たくさんの工程が必要であり、その工程毎に専門の工場や職人さんがいます。その専門の工場や職人さんが仕事を辞めてしまう事が、ここ数年目立ってきました。
失われた工程の部分を補足しようと色々と手を尽くすのですが、大抵のところ今までよりもコストがかかることとなっています。
繊維製品は、ここ数年本当に価格勝負。
高いと買ってくれません。
でも作るのには、コストがどんどん高くなっています。
なので価格を高くする、と買ってくれない・・・
この悪循環、気づいているのは制作側の人だけで、販売する側は気が付いていない・・・というより見て見ぬふりだったりします。
多分、ここまで読んでいる人はあまりいないと思うのではっきり書きますが、旅館・ホテル関連の製品だと、総裏の半天(茶羽織)を縫える人は全国で5人くらいかな。ディクセル方式の顔料プリントができる工場は三軒だけです。
和装関連ですと、広巾生地から本仕立てで縫える工場は多分全国で5件くらい。先日聞いたのは、化粧まわしのような厚手生地への手刺繍はができる人は、5人以下じゃないか、みたいな感じです。
今後、繊維に携わる職人の数はどんどん減っていきます。
賃金がとても安い世界ですから、新しい人が入ってくる可能性はありません。
はっきり言って、「え、これを作るのにこんなに高いの!?じゃあいいよ、他でやるよ。」と言っても、他がない状況になっています。
2020年の見通しとして、「作り手主導」の状況が一層すすむと見ています。
今までの様に、「この値段でこんなに良い物が!!」みたいなことは無く、価格と品質が比例するようなことになると思います。
その動きの中で当然高くて悪い物も出てくると思うのですが、作り手をまとめる問屋の知識不足で知らず知らずのうちに悪い物を高く販売している場合も増えてきます。
これからの時代、きっちりとした技量とこだわりを持った職人をどれだけ集められるか、これが大事なポイントになってきます。
2020年も、きっちりとした真っ当な仕事をしていきます。
ありがたいことに、弊社の回りにはそういう職人さんたちが集まってくれています。
その職人さんたちに報いるためにも、背筋を伸ばして仕事を進めていきます。