旅館やホテルなどで使われる寝間着浴衣の子供用は、大人用とは仕様が異なっています。
というのも子供は大人よりも活発に動き、またきちんと浴衣を着られないため、補助として「紐」を付けて仕立てられる場合が多く見られます。
紐の付け方は色々なパターンがありますが、弊社でお勧めしているのは「四本紐仕立て」と「背紐仕立て」の二つです。
「四本紐仕立て」は、作務衣の上着の様に4か所に短い紐が付いています。
分かりにくいかもしれませんが、紐が4か所付いています。
紐の締め方は作務衣の上着と一緒。
右と左の紐をそれぞれ締めていけば浴衣が固定されます。
もう一つのお勧めの「背紐」は、背中に幅広の帯が縫い付けてあります。
着物を着る人でしたら「背中に腰紐があらかじめ縫い付けてある」と言えば、わかりやすいのではないでしょうか。
大人と同じように浴衣の前身ごろを合わせて、背中の紐を前に回して締めれば出来上がり。
どちらが良いかというと、それぞれ利点欠点があります。
着付けやすさと言えば「四本紐」ではないでしょうか。定番在庫品の浴衣のほとんどが、この「四本紐」です。
ですが、「四本紐仕立て」には、欠点もあります。
分かりやすいところでいうと、「着姿が悪い」事です。
着物や浴衣の良いところは、体に巻き付ける量を調整することで、太い人でも細い人でもきれいな着姿になれるという事なのですが、四本の紐で縛って固定してしまうと、太い方がきると紐が足りなかったり、細い方だと生地がだぶついてしまいます。
「背紐」の場合は、前身ごろのあわせが、人それぞれで調整できるため、だぶつきなく着ることができます。
提供する側として大切なところは、洗濯の時の耐久性。
経験としていえるのは「背紐」の方が耐久性が高いようです。
「四本紐」ですと紐が細い分から待った時にはしっかりと絡みこみ、そのため強い力がかかって紐が取れてしまう事が多いようです。
「背紐」も絡みますが、紐が太い分絡みをほどきやすく、また縫い付ける部分も広いため取れにくいようです。
実際、提供する旅館・ホテル様によって、どちらの仕立てにするのかは分かれます。
因みに弊社では、「四本紐仕立て」も「背紐仕立て」も同じ縫製工賃です
どちらの仕立てにするか迷ったときは、弊社までご連絡ください。
※仕立てサンプル品の貸し出しも行っています。