浜松市北区三ヶ日町にある「初生衣神社」は、織物の神様を祀る神社です。
毎年4月の第二土曜日に、伊勢神宮に奉納する神衣(おんぞ)が出来上がり、伊勢神宮に向けて出発をお祝いする「おんぞ祭」が執り行われます。今年は新型コロナウィルスの感染防止の意味もあり、縮小しての開催となりました。
昨今この初生衣神社を「遠州織物発祥の地」としてブランド化する動きがありますが、その歴史を見てみれば遠州織物とは全く関係ないのは明らかです。官民一体となって偽の歴史を作ろうとしている様子は、神様を蔑ろにしているようでとても不愉快です。
初生衣神社は元々伊勢神宮へ絹織物をお納めする役目の神服部家の屋敷神です。
伊勢神宮にお納めする布ですので、その時々で一番良い布を織り上げお納めしています。
当然織り上げる布は”絹織物”。
絹大好きで、さらに仕事が繊維関連である自分としては、遠州織物関連の流れは無視して純粋に神衣(おんぞ)の出来上がりを喜びたいと思い、毎年このお祭りに足を運んでいます。
今年は、毎年目玉であった「おんぞ行列」は無し。
(隣の浜名惣社へ納めてあったおんぞを、のぼり旗を振り立てながら初生衣神社へ持ってくるのがおんぞ行列)
神事のみを執り行うとのこと。
神事に参加する人も例年から大幅に人数を減らし、席も離して設置しています。
出席者はマスク着用が必須となっています。
祝詞奏上から玉串奉奠。
これにてお祭り終了。
時間として約15分。
時勢上しかたありません。
本来のおんぞ(神衣)を執り行う伊良湖神社は今年の御衣祭を中止にしたとのことですので、これだけでもお祭りを行った初生衣神社は大英断だと思います。
少し寂しい”おんぞ(神衣)祭”ですが、来年を期待したいと思います。