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消耗品の質を下げる旅館・ホテル

最近、というか以前からなんですが、旅館やホテル様からのお問い合わせの傾向をみると、どうも浴衣やタオルなどの消耗品の質を下げたがっているように思えます。

利益を上げるためには売上を上げるか経費を下げるかしか有りませんので、旅館やホテル側の気持ちもよくわかります。

ですけど、それはちょっと違うんじゃないかな、と思っています。

 

 

浴衣やタオル、シーツや布団カバーなど、業務用の繊維製品はお客様の肌に直接触れる物です。

物の良し悪しが一番はっきりわかる部分でもあります。

質を下げると同時に、何度も洗濯をして使う、というパターンもありますが、個人的に旅行で泊まったホテルでヨレヨレの浴衣が出てきて、どうしても汚らしくて手を通せなかった事がよくあります。

一泊2万円、3万円のホテルでの話です。

 

個人的な感想かもしれませんが、汚いトコロには二度と泊まりたく有りません。

 

 

オリジナル柄の浴衣の問い合わせをいただく時、「安くしたいので一番安い生地でお願いします。」と言われる方が結構居ます。

 

一番安い生地ってなんでしょう。

お客様のニュアンスからすると、「薄くてペラペラの生地で良いよ」とか「普通よりも一格下の生地」ということらしいのですが、はっきり言って「薄い生地」が安いわけでは無いし、もちろん格下の生地が安いわけでもありません。

安い生地とは一番流通していて、価格がこなれている生地であったりします。

 

それに薄い生地や格下の生地では洗濯に負けます。

何回も洗濯できません。

一般的な生地で100回洗濯できるとして、せいぜい50回、30回だったりします。

本来の洗濯回数よりも少ない回数で、また新たに補充をしなくてはいけない事になりますが、それでも良いのでしょうか。

この説明で納得するお客様もいれば、不機嫌になってしまうお客様もいます。

 

 

もうね、そんなにコストにこだわるのなら、輸入品の浴衣にすれば良いんじゃないかと。

または、リネンサプライさんの定番品の浴衣にすれば良いんじゃないかと。

よっぽど声に出したくなるのですが、これは言わずに我慢します。

 

 

輸入品の浴衣は、日本製に比べて耐久性が劣ります。

ざっくりと、日本製の浴衣の半分くらいの耐久性なので輸入品の浴衣の価格が日本製の半分以下だったら導入する意味があると思います。でも日本製の7割、8割の価格で日本製の半分しか持たなかったら、それは導入する意味がないのではないでしょうか。

 

 

以前、某ホテルに仕事で行った時、使われていたタオルが今治タオルでした。

もちろん「今治タオル」のタグが付いた、正真正銘の今治タオルでした。

 

が、汚い、白いタオルがグレーになっていて、素手で触りたくないレベル。

ちょっと聞いたら、「仕入れが高かったんで、できる限り使い続ける」とのこと。

1泊3万円以上でこれは嫌だな、と感じました、もちろん口に出しませんでしたけど。

 

 

旅館やホテルって不特定多数の人が宿泊する施設じゃないですか。

やはり”清潔感”ってとても大切だと思います。

常に清潔な浴衣やタオル、シーツ、カバーを出してほしいと思います。

リネンサプライで借りているなら、少し料金が高くなってもしっかりとしたものを入れた方が良いのではないでしょうか。

その分リネン料が高くなったら、高くなった分だけ宿泊料に乗せたって良いと思います。

高くなるったって数百円の話です。ビジネスホテルのような宿泊料の数百円で争うホテルは別として、観光旅館、ホテルだったら数百円の違いはあまり影響ないと思います。

数百円の差よりも素手で触りたくないタオルを出すほうが、よっぽど客足に影響があると思います。

 

 

 


浴衣の件も、タオルの件も根本的には同じことです。

旅館やホテル側で想定しているお客様が、どのような方々なのか。

 

金払いがよく、定期的に泊まってくれるお客様なら、直接肌に触れる浴衣やタオルと行った消耗品をケチるのは逆効果です。

とにかく安く安く泊まりたい方々でしたら、それなりの消耗品、もしくは浴衣もタオルも出さない、といった選択肢もあります。

 

今、けっこうブランディングをお願いしている旅館・ホテル様がいらっしゃいます。

他にも、経営戦略講座みたいな講座もそこここで開かれています。

全体的にどこをコストカットして、どこにお金をかけるべきなのか、その答えを出してくれる人や場面はたくさんあると思います。

 

連続して泊まりに来てくれるお客様を作るには、汚い浴衣やタオルは必要ないと思うのですが。