「どこまで細かいデザインまで表現できますか?」
時々、お問合せいただきます。
個人的には個人的には、浴衣とはいえ着るものですので微にいったデザインよりはある程度大きいほうが見栄えがすると思うのですが、やはりデザイン的には気になるポイントでもあります。特に小紋柄の着物を浴衣で再現しようとすると、どこまで表現できるのかが心配になるところだと思います。
細かいデザインを表現するには、顔料プリントが最適です。
注染で染めると染料を注いで柄を出すため、ある程度の大きさが必要になりますので、細かさにこだわるならプリントです。
弊社でできるプリントは、インクジェット、ロータリースクリーン、フラットスクリーン、金属ローラーの4種類になりますが、コストやデザイン力を考えるとロータリースクリーンが良いのではと思います。
ロータリースクリーンは、円筒形のシルクスクリーンの型が回転して生地に顔料をプリントしていく方法です。
どこまで細かいところまで再現できるかというと、上記の画像ですと”セミ”の羽の模様が、約0.3mmくらいでしょうか”セミ”の輪郭は約0.5mmくらいでしょうか。
かなり細かい部分までプリントできるのがわかります。
実線をプリントする場合もありますが、白抜きの場合もデザインによってはあります。
上記の力士のマワシ部分の白抜きも、約0.3mmくらいでしょうか、かなり細かい白抜きが出来ているのがわかります。
ただ顔料プリントならどこでもこれだけ細かいデザインができるわけではなく、やはり職人さんの技術が大きい部分があります。
実際にプリントの立ち会いをした時に・・・
「これは細かいデザインだから、○○を変更しようか。」
「もう少し速度を○○しよう。」
「顔料の粘度は○○で○○をもう少し加えよう。」
※○○の部分は企業秘密。実際に現場に立つと色々教えてもらえますが。
細かな技術の積み重ねと今までの経験で、デザインを表現しています。
自分は、新規デザインの浴衣を作るときには必ずプリントに立ち会いますが、本当に技術の積み重ねには凄い物があります。
ロータリースクリーンの顔料プリントではかなり細かなデザインまで表現できるのがわかりますが、弊社ではデザインを作るときには「実線なら1mm。白抜きなら2mm。」とお願いしています。
というのは、それ以下ですとリスクが大きくなる事、使う色によっては出来ない場合がある事、なので大事をとってデザインを起こす時はお願いしています。
実際、顔料は色によって粘度が違うそうで、どの色が粘度が高くてどの色が粘度が低いのか。生地によってもかわります。
もうね、実際のトコロやってみないとわからない世界です。
なので安心なところで「実線なら1mm。白抜きなら2mm。」と言っています。
ただ一番上に書いたように「小紋着物の柄を再現したい」といった場合は、別途ご連絡ください。
できるできないを、工場の職人と頭を突き合わせて精査いたします。