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新疆綿

今、中国の新疆ウィグル地区での人権侵害が問題になっています。

新疆ウィグル地区と聞いて、自分の頭に真っ先に思い浮かんだのが「新疆綿」でした。

新疆綿といえば、木綿の中でも最高級品の”超長綿”の一つです。

 

 

木綿は基本的に繊維の長さによって品質が決まります。

短綿種は布団の中綿など、綿として使われることが多いです。日本伝統の和綿はこの短綿種に入ります。

中、長綿種は一番流通しており、普段目にする木綿はこれに当たります。

超長綿は、ホント別格です。繊維が長いため質の良い細い糸ができるし、一般的な太さの糸にしてもしなやかで吸水性が有り、表面の艶、手触り、全てが心地よい木綿です。

当然超長綿はブランド化されており、エジプト綿、海島綿、新疆綿などなど、業界の人なら誰もが耳にしたことのある高級綿です。

 

 

 

新疆綿と呼ばれる超長綿だけでなく、新疆ウィグル地区は木綿の一大産地です。

中国で生産される木綿のほとんどが、新疆ウィグル地区で生産された木綿であると聞いたことがあります。

 

人権問題で新疆ウィグル地区で算出された木綿を使用した商品のボイコットを各国のメーカーが行っていると聞きましたが、それってボイコットした側の方にダメージがあるんじゃないのかな、と思いました。

 

繊維産業でも色々な業界がありますので、自分が一番密接に関わっているホテル・旅館業界で見てみると、新疆ウィグル地区生産の木綿を使いません、となると業界が成り立たなくなります。

今や中国製の業務用繊維製品を使っていないホテル・旅館はありません。

普通に使っている、シーツ、布団カバー、タオル、はどれも駄目、他にも浴衣やガウンなども使っているトコロもあります。



 

 

物には、

1、安くて悪いもの。

2、安くて良いもの。

3、高くて悪いもの。

4、高くて良いもの。

 の4種類があります。

 

今までの新疆の木綿を使った製品(業務用)は、2の安くて良いもの でした。

でも実際”安くて良いもの”なんてなく、安くするために人権を阻害し人件費を抑えてできたものでした。

 

今まで100円で手に入ったものと同じ品質で500円出すか、というと人はなかなか出せないものです。

何となくですが、新疆ウィグル地区の人権問題も有耶無耶になるんだろうな、と思っています。

でもそれは仕方のないことかもしれません。

 

ただ今後ホテルや旅館に泊まった時、このシーツは新疆ウィグル地区の人達の涙と汗が入っていると思ってください。