旅館浴衣は、枚数によって価格が変わります。
と言っても枚数が増えれば増えるほど価格が下がるわけではなく、とは言っても枚数が少なければ少ないほど価格は上がります。
今まで受け付けたお客様からの問い合わせから推測すると、こちらが考えている「枚数と価格」ではない「枚数と価格」を考えられていることがわかりました。旅館浴衣は昔から使われ続けているモノですので、それに付随して制作してくた業界の共通の認識があると思っていたのですが、最近その認識が変わってきたことがわかりました。
旅館浴衣の価格は、枚数と比例して少なければ高く、多ければ安くなるわけではありません。
上のグラフのような曲線のように変化します。
良く聞かれる、「一番少ない枚数のときにいくら?」ですが、1枚から作ることができます。
その分、ずば抜けて高くなります。
最近「50枚欲しいんだけどいくら?」の時、50枚でもかなり高価になります。
100枚の時の倍、デザインによっては3倍、4倍になる時も。
50枚って、正直高いので価格を言いたくない枚数なのです。
一番こなれた価格が出せる枚数が、白地に1色で約100枚、白地に2色で約200枚、白地に3色で約300枚。
「白地に・・・」と書いたのは、やはりデザインによって価格が違ってくるからです。
大手デパートとかで売っている中国製の出来合いの浴衣の影響でしょうか、浴衣セットの浴衣がかなり安いため旅館浴衣はもっと安いと考えている人もいます。
中国製の出来合いの浴衣は、制作枚数が”万”単位です。しかも作っている工賃がかなり安いです。さらにそうゆう浴衣は洗ったら壊れるくらいの品質です。
旅館浴衣は確かに本仕立て浴衣と比べると仕立ては簡略化されていますが、オリジナルの柄で製造され枚数も少なく、国内で作られます。かたや人件費の安い国で耐久性を考えずに数万枚単位で作られた浴衣と、日本国内で高い耐久性を持たせて数十枚~100枚程度作った浴衣では、当然価格が違ってきます。
「えー!オリジナルデザインで旅館浴衣を作るってこんなに面倒くさいの!?」
と思われる方もいらっしゃると思いますが、いやいやいや、これが業界の普通でした。
いちいち言わなくても阿吽の呼吸でわかっていることでした。
とても誤解されていることですが、旅館浴衣でボロ儲けしよう、できるだけ高く売りつけよう、なんて思っていません。
弊社は、基本的に弊社はお客様の負担にならないような価格で出したいと思っています。
だからといって製造側を圧迫するような価格で売るわけにはいきません。
旅館浴衣とは、同じデザインの浴衣を長く使い続けるものです。
浴衣が古くなったら同じデザインの浴衣を追加して、10年以上使い続けるものなのです。
製造側を圧迫したら、同じ浴衣を作れなくなってしまいます。
なので、買う側と作る側のバランスが取れるような価格を出したいと思っています。
1枚とか50枚とかの枚数では、バランスが取れていません。
「価格を出せ!!」と言われても、正直出したくない価格です、そう、とても高いから。
で、どうしてもと言われて出した価格が「高いねぇ」と言われる辛さ・・・
枚数と価格、もう少し考えていただけると助かります。