旅館やホテルで使われる寝間着したての浴衣は、洗濯すると縮みます。
旅館やホテルで使われる寝間着したての浴衣は、寝間着であり外で着ることを前提としていないこと、不特定多数の人が着ること、毎日洗濯をして使うことなどの理由から、防縮加工をしていません。
夏祭りや花火大会など夏に外で着る浴衣は、生地が織り上がった後に洗濯をし、注染で染める時も収縮し、購入後の仕立てる前にも水通しで収縮させて、これ以上縮まないところまで縮ませてから仕立てますので、着ていて縮むことはありません。
木綿の着物だって、織りあげた後、購入後に仕立てる前など2~3回水に通して縮ませきってから仕立てるので、ほとんど縮みません。
もし仕立てた後にも大きく縮むのなら、それは不良品です。
旅館やホテルで使われる寝間着したての浴衣は洗濯後に縮む件ですが、これは一気に縮むのではなく徐々に縮んでいってある程度のところで縮まなくなります。
大体ですが、リネンサプライなどの業務用の洗濯で約10回前後で縮みは納まります。
「はいはい、10回洗えば落ち着くんだね。」
と言われると、実は困ってしまうのですが、洗濯方法によって縮みの速さは異なります。
洗濯、乾燥、仕上げに関して、それぞれのリネンサプライで使う機械は異なります。連洗で洗うところもあれば、ドラム式で洗うところもあります。浴衣畳み機で仕上げるところもあれば、ローラーで仕上げるところもあります。
それぞれの条件で浴衣の収縮速度が異なるため「約10回前後で収縮が納まります」という言い方しかできません。
さらに業務用の洗濯と家庭用の洗濯機では、また収縮の速度が違います。
大体ですが、家庭用の洗濯機で洗うと収縮が遅くなります。
業務用で約10回前後で収まるのが、家庭用だと半年とか1年とかかかる場合があります。
また家庭用の洗濯機で洗った後、乾燥機を使う使わないでも収縮速度が大きく変ります。
確かなデータがあるわけでは有りませんが、繊維は激しい環境だと収縮が早まり、優しい環境だと収縮が遅くなるようです。
例えて言うなら、業務用のドラム式洗濯機で洗い高温の乾燥機で乾燥させると収縮が早く、手洗いの後物干し竿で陰干しすると収縮が遅くなります。
と、収縮についてのお話ですが、ちょっと待ってください。
旅館やホテルで使われる寝間着したての浴衣って、そこまで縮みを気にするものですか?
あんまりつんつるてんでは仕方ないですが、少しくらい長くても短くても差し障りが出ますか?
本仕立ての浴衣のように外着ではなく、室内でそのまま布団に入るものです。
多少短いほうが寝やすいくらいじゃありませんか?
正絹の着物ならいざしらず、旅館やホテルで使われる寝間着したての浴衣だけでなく本仕立ての浴衣や木綿の着物でも多少丈が短くてもそれほどおかしくは無いと思います。
正絹の着物はやはりフォーマルなイメージが強いものですので、女性だったらくるぶしが隠れるくらい、男性だったらくるぶしの中心くらいに丈をしなくてはみっともなくみえます。
木綿やウールの着物も正絹と同じくらいの丈にするもの品があってよいのですが、丈が短くても元々が普段着です。洋服に例えたら、ジーパンにポロシャツくらいのラフな格好です。着流しで着るくらいなら少しくらい丈が短くてもおかしくありません。(年相応の着方も必要ではありますが)
で、旅館やホテルで使われる寝間着したての浴衣です。
洋服に例えるなら、まさしくパジャマです。
パジャマにフォーマルさはありません。
決まりがないので自ら決まりを作るということもアリですが、その自ら作った決まりを外に出してくるのは・・・・