中国製品の値段が上がります。
上がるかも、ではなく上がることが確定となりました。
多分、繊維業界に少しでも足を置いている方は、もう周知の情報です。
価格上昇の理由は、
・中国国内の電力低下による生産低下
・綿花の不作
・新型コロナ禍によりコンテナ船の手配ができなくなっている
・コンテナ船の輸送料の上昇
いくつか理由はありますが、大きく影響しているのはこんなところです。
その中でも、電力低下やコンテナ船の問題は繊維だけでなく、自動車産業やその他諸々の製造業にも大きな影響を与えていて、ニュースでも言っていましたが、マグネシウムを筆頭にレアメタルなどの鋼材も不足しているとの話です。
今回の値上がりは繊維に限ったことではありません。
旅館・ホテル業界では、今回の値上がりは大きな痛手となります。
ほぼ中国製の製品というと、シーツ、枕カバー、布団カバー、タオル類。あとは選べる浴衣サービスのところはほぼ中国製の浴衣を使っているし、中には羽織も中国製というところも多いと思います。
今回の事態の困ったことは、価格が上がるだけでなく物も入ってこない状況です。
「金さえ出せばものがそろう」というのではなく、「金を出しても物が無い」ということです。
今までだったら、リネンサプライ、ホテル、旅館は、
「また値段上がったの?こんなの買えないよ。いいよ、他で買うから。」
だったのが
「また値段上がったの?こんなの買えないよ。いいよ、他で買うから。」
「え、どこも値段上がっているんだ。じゃあちょっと様子見ようかな。」
「いよいよ物が無くなってきたから買わないと。あれ、物がないの?いつ入るの?え、また上がったの?もう少し我慢かな」
「しょうがないから値段高くても買おうかな。そろそろ入ってきているだろうし。え、入ってきたもの全て予約されてるの。じゃあ次いつ入る?え、未定なの。どうしよう・・・」
今、そんな状況を問屋、商社界隈では想像しています。
今のところ、入ってくる毎に商品が1割~2割価格が上がっているそうです。
なんとか在庫があるものは在庫分だけ以前の価格で出していますが、そのうち大幅な値上げをしなくてはいけなくなりそうです。
今までリネンサプライ、旅館、ホテルと言った購入側(実際に使用する側)は、価格重視で動いてきた部分があります。
業務用で大量に使う強みもあり、そこに受注を欲しがる問屋や商社が値下げ競争をして売り込んでいましたので、上手く商品が流れていればよかったのですが、一つ躓くと大きく傾きます。
でも今まで安く購入してきた側としては、同じ商品を今まで以上の価格で購入することは気持ち的ものできません。
そのため先に書いたように「様子見」する企業が出てくると思います。
そして「様子見」をしている間に商品がなくなってしまう・・・
無いものはいくら金を積んでもどうしようもありません。
だんだんと弊社みたいな小さな会社にも問い合わせが来るようになりました。
けど、いきなり飛び込みで(今まで何も取引がなく)、価格を聞かれても困ります。
「え、オタクは高いね。」みたいに言われたって、あなた初めて電話してきて安く出せるわけないでしょ。
もうね、今まで色々な問屋や商社が頭を下げて売り込んできていたから、そのクセがとれないのはしょうがありません。
弊社としては、今までお付き合いしてきたお客様優先でお話をさせていただいています。
今回の状況ですが、改めてみても価格が今まで通りに下がる要素がありません。
輸入商社の話を総合してみると、価格は高止まりすると思います。
なので弊社もネットストアの商品の値上げを考えています。
それほど粗利を乗せて出していませんので、仕入れ価格が上がったら速やかに価格を上げなくてはいけません。
そうそう、日本製の浴衣に関してですが、注染などの本したての浴衣生地はそれほど影響ない模様です。
旅館浴衣に関しては、小巾生地使用は変りませんが、二巾、三巾生地は中国生産なので価格が上がります。
旅館浴衣用のTC生地も価格が上がるようですので、日本製の旅館浴衣と言っても価格は上がると考えたほうが良さそうです。
(小巾生地使用の浴衣は変りませんが)