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中国製品の値上げ

以前の記事にも書いたように、中国製品の値上げが始まりました。

 

具体的には、シーツ、ピロケースなどの寝具類は1~2割値上げ、タオル類は1割前後の値上げ。

その他、浴衣やガウン、作務衣、バスローブなども値上げです。

他にも中国で織られている生地も値上げとなり、日本で製造している浴衣も生地が値上げになるため値が上がります。

 

困ったことは、今回の値上げは一時的なものではなくこれからも続くもようです。

とりあえず今具体的な価格が出てきたというだけで、今後も値上げは続きます。

 

更に困ったことは、値上げよりも欠品。

今、中国では電力不足の上にオリンピックの準備でさらに電力が不足し、オリンピック開催中は当然オリンピック優先ですからもう工場が動かない・・・

日本で「GO TO」が始まるからと資材を投入しようにも資材がないから購入できない、という事態にもなりかねません。

 

日本の繊維業界は海外依存がかなり進んでいますので、それが裏目に出ました。

 

 

「糸も中国から輸入しているでしょ。じゃあ国内の繊維産業すべてダメじゃないの?」

そんな話もありますが、糸でしたら中国の他にアメリカ、オーストラリアからもかなりの量を輸入しています。

具体的に言えば、”今治タオル”みたいな国内生産のタオルは糸を輸入して織っているので中国が駄目でも他の国から輸入すれば大丈夫。

「サンホーキンタオル」なんて名前のタオルだとアメリカ製の糸を使っているから大丈夫です。

 

 

 

今回の事態で、当然弊社も含む商社、問屋も価格を改定せざる得ません。

と言っても間違って理解して欲しくないのは、この機に利益を上げようではなく利益幅は同じで大元の価格が上がるから仕方ない、ということです。

業界に入ってみればわかりますが、けっこう利益幅が無い業界です。

今回、値上げしなければ赤字になります。

 

 

今回の値上げでリネンサプライも当然値上げをしなくてはいかなくなるでしょう。

実際に、すでに値上げをしているところも多いと聞きます。

ただ、今まで旅館・ホテル特に大手チェーンのホテルなどは、殿様商売みたいなところがあります。

なので長年付き合ってきたリネンサプライでも「え、値上げ!じゃあ他所で頼むから良いよ。」みたいな話になります。

やはりこうゆう状況でも安いリネン料を出すところがあるわけで、安いリネンサプライへ変わる旅館・ホテルも多いようです。

ですが資材、燃料代が上がるのはどこも同じことですので、半年くらい経つと安いリネンサプライが音を上げる「やっぱり値上げしてください」と言ってくるか、洗濯が汚くなる。(洗濯せずに回収してきたモノをそのまま乾燥機にいれて畳んで出す、といったことがあります)

これじゃあたまらない、ということで、以前使っていたリネンサプライへ旅館・ホテル側から「もう一度やってくれないか」と話をもちかけるけど、さらに値上がりした料金になってしまう、といった一連の流れがよくあるようです。

 

リネンサプライだって、この機に利益を上げようとしているのではなく利幅は同じで大元の価格が上がるから仕方なく、と言った状況なのです。

 

 

今、旅館・ホテルと今まで良い関係を築けているかどうかがリネンサプライにとって重要になっている場面かと思っています。

最低限の値上げを旅館・ホテルがきちんと受け入れてくれるか、難しい局面です。

 

 

 

先日、ちょっと小耳に挟んだ話。

 

旅館・ホテルがシーツやタオルなどの資材を用意している場合です。

通常、新しい資材を購入したら一回洗ってから宿泊されたお客様へ出します。製作時にどんなゴミやホコリが付いているかしれません。さらに中国製品だったら、ホント目に見えないような色んなものが付いてきます。

それをきちんと洗濯することでキレイにしてお客様へ出します。

 

その初回の洗濯をケチるところがあるそうです。

そりゃあ洗濯代一回分が浮くわけですので、それが利益と考えるのもわかりますが、何が付いているのかわからないシーツやタオルを使わされるお客様にとっては災難です。身体中ボツボツが出たっておかしくありません。

 

その話を聞いた販売側の自分たちは、鳥肌が立ちました。

そんな汚い事をしては駄目です。きちんと洗濯して出さなくてはいけません。

でも実際にそのまま出している旅館・ホテルが有るという事実。

 

 

経費削減の被害者が宿泊されるお客様であるというのは、いけないことではないでしょうか。

しかもそのような旅館・ホテルが「癒やしの宿」とか言っちゃってたりするんです・・・