インターネットのショップへ中国製の旅館浴衣の注文が入り、久々に中国製の旅館浴衣を手に取る機会ができました。
生地やプリントの良し悪しはわかっていることですが、改めてみると「たたみ方」、いや「たたまれ方」が日本製と違うことが気になりました。
着物に詳しい方が見ればすぐわかるのですが、着物たたみではなくシャツやガウンと同じたたみ方になっています。
あまり着物や浴衣に縁のない方は別に違和感を抱かないと思います。
旅館やホテルに泊まったときも、このたたみ方で出てきますし。
この「襟が前に出ている」たたみ方は、洋服のたたみ方です。
洋服屋で陳列されているのと同じたたみ方です。
じゃあ、日本製はどんなたたみ方になっているのかと言うと。
パッと見た時、四角い生地だな、と思うかもしれませんが、襟とかオクミとかが全部中に入っていて身頃が表に出ている形です。
このたたみ方は、襟やオクミといったシワになりやすい部分が中にはいっている昔からの「着物たたみ」なのです。
展開していけば、下の写真のように袖や襟が出てきます。
日本製の旅館浴衣は、基本的に和裁ができる人が縫製しているので、出来上がりは着物たたみとなります。
この「着物たたみ」の何が良いのかと言うと、シワがより難いのと折り目が垂直に真っ直ぐであるということです。
旅館浴衣は出来上がってすぐに使われるものばかりではありません。
出来上がってお客様の所に入っても、しばらく在庫として倉庫でしまわれる物もあります。
長い間在庫となっていると生地に折り目が強く付いてしまいます。
強く付いた折り目は、洗濯しても中々消えません。
なので、たたみ方が重要になるわけです。
じゃあ、中国製の浴衣はどうかというと。
裾に向かって巾が狭くなっているのがわかるでしょうか。
折りたたんで見ると、もっとよくわかります。
上半身のたたみの巾と、裾部分のたたみの巾が大きう違っています。
要は、斜めにたたまれている、ということです。
斜めにたたまれているということは、折り目も斜めについているということ。
お客様が着たときもの斜めにシワが付いているということです。
まぁ、旅館浴衣は所詮寝間着ですので、裾がどうなっていようとかまわないといえばかまいません。
中国製の浴衣を使うトコロですので、お客様のレベルもそれなりだったりします。
だけどもし本当に良いお客様を呼びたいのなら、やっぱり中国製の旅館浴衣は無いな、と感じました。