先月の話ですが、久々に出張に行ってきました。
新型コロナ禍の新規感染者数が減少していた時期で、連休の前でこれから人出がある前に行ってきました。
向かったのは、埼玉県の秩父市、群馬県の伊香保温泉、草津温泉、長野県の浅間温泉。浜松市からですとなかなか遠くて行けない地域でしたが、今回時間を作って行くことができました。
草津温泉といえば、全国的にも有名な温泉地の一つです。
その中心にある「湯畑」をいつか見てみたいと思っていたのが、今回叶えられました。
草津温泉は、温泉街のいたるところに温泉が湧き出しており、無料で入れる公共の浴場もたくさんあり、本当に温泉の街でした。
そして湧き出てくるお湯の質もよく、帰ってきてからでもまた行きたくて仕方ありません。
ただ今回は仕事で行っています。
お客様である旅館・ホテル様を回ります。
なので営業の邪魔にならないように、チェックアウトからチェックインまでの時間で回って話をしていきます。
ただ草津のような温泉街ですとお客様の旅館・ホテルもまとまっており、効率よく短時間で挨拶できました。
その日は草津温泉に泊まったのですが、やはり気になるのは浴衣です。
湯畑の回りにはお土産屋、遊技場、食事処があり、旅館浴衣姿の宿泊客が歩いています。
まだ肌寒い時期でしたが浴衣姿で出歩いています。
で、やはりというか、その浴衣のほとんどが中国製のカラフルな浴衣です。
今流行りの「選べる浴衣」を採用しているトコロがほとんどですので、その選べる浴衣は中国製なので、必然的に中国製の浴衣が多くなります。
ちなみに、なぜ着ている浴衣が中国製なのかわかるかというと、あまり清潔そうに見えないから。
中国製の浴衣は生地にシワがより易く、色が落ちやすいのが特徴です。なので繰り返し洗って使う旅館浴衣ですと、浴衣の劣化が激しくなり、その結果なんとなく薄汚れた感じになってしまいます。具体的に言うと、撚りの甘い糸を使い、打ち込み本数も少ない生地に、普通の顔料プリントで劣化しやすい色を使ってプリントしている和歌だから、劣化しやすいのも当たり前なのです。
ただ中国製の浴衣が気になる理由は、品質の問題だけではなくそのデザインにも問題があることが、今回たくさんの中国製の旅館浴衣を実際に来ている人たちを見ることでわかりました。
旅館浴衣のような不特定多数の人が同じ浴衣を着る場合、清潔感が大切です。
また、昨今SNSに自撮り写真を投稿する人が多くなっていますので、きれいな写真が撮れる(バえる写真)も重要となります。
中国製の浴衣のような派手派手な柄ですと、清潔感とは縁遠く、着ている人の顔より浴衣の柄に目が行ってしまうことになります。
ちなみに上の写真は、フリー素材の写真です。
実際に取ってきた写真は、色々と問題があると思いますので、あえてフリー素材です。
旅館浴衣と言えば「白地に紺色」の浴衣のイメージが強く、それを打開したいといろいろな色の浴衣を採用されるところが多いかと思います。が、実際は黄色人種である日本人が、屋内のような薄暗い場所で顔がきれいに映えるのは紺色だったりするのです。
CMやドラマで使われる場合なんかは、役者さんの顔がきれいに見えないといけないので、昔ながらの白地に紺色の浴衣をあえて使う場合がほとんどです。
ちなみに上の写真はフリー素材です。
こして見比べてみると、どちらの浴衣が清潔感があり、着ている人の顔がきれいに見えるのかがよく分かると思います。
え、わからない!どっちも同じに見える・・・・
そう、実はわからない人が結構居るのが現状です。
でもね、プロだったら見分けましょうよ。
浴衣を作る側だけでなく、お客さんに提供する側だってプロですし、旅館・ホテルの経営者だったらプロデューサーでもあるわけです。
自分の旅館・ホテルにどんな人に泊まってほしいのか、そのためには室礼や備品はどうすればよいのか、当然考えていると思いますが、お客さんが直に身にまとい出歩く浴衣のデザインにももう少し気を回しても良いと思うことが度々あります。
「カタログで選んで直ぐに注文」も楽で良いかもしれませんが、それではどこの温泉でもどこの旅館・ホテルでも同じ浴衣が出てくることになります。
せっかく今は浴衣姿で自撮りしてSNSで世界に発信している方がたくさん居るんだから、名前入りのオリジナル柄の浴衣のほうが宣伝にもなるのではと思います。
そう、無料で自発的に宣伝してくれているんだから、名前が入っていない浴衣はもったいないです。
自分は浴衣や着物が好きな人間ですので、良い柄の浴衣がたくさんあるのは本当に嬉しいことと思います。
弊社で作った浴衣で無くても、そりゃ弊社に注文くださったほうが嬉しいですが、良い柄の浴衣を見ればそれはそれで嬉しくなります。
温泉地に行って、どこでも見かける同じ柄の浴衣じゃなくってそこでしか見られない浴衣があるのが本当に良い光景だと思います。
「楽」に注文できる浴衣じゃなくて、そこでしか着られない浴衣が増えていくのを希望しています。