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少い数のご注文

ちょっと前に、「相撲浴衣の反物をオリジナルの柄で1反作りたいんですが出来ますか?」とお問い合わせをいただきました。

 

1反・・・できるかどうかといえば、できます。

価格度外視で、という条件付きですが。

 

今、いろいろなものが値上がりしていますので、「最小ロットで注文したいのですが」と言われる方がけっこういらっしゃいます。

浴衣を作るに、まず「生地を作って」「それを縫製する」工程になります。(相撲浴衣反物は。縫製が反物にするに変わります)

「縫製する」のは、1枚からでも出来ます。

ですが「生地を作る」のは、”生地を染める、プリントする”ことになりますが、いずれも大量生産を目的とした工場で作るため、とても大変です。

 

最近お客様の要望で「絵や写真じゃわからないから1枚試作品を作ってほしい」とい割れることが多くなりましたので、工場も試作用に1枚からでも染めて(プリントして)くれます。

ですが、100枚、200枚作るのと同じ工程をこなすわけですので、それなりの価格になってしまうのは仕方ありません。

 

 

数年前の話になりますが、あるホテルをコンサルタントしていた事務所のデザイナーから、同じデザインで色を変えて数点の試作品の依頼を受けました。

最初は、2色、その後2、3週間後にまた2色、その後もまた2色。

 

100枚、200枚分の生地をプリントする工場で、1枚分の生地をプリントしました。

で色を変えてもう1枚、ということで、1枚分プリントした後、型の洗浄、機械全体の洗浄、再セッティング、と傍で見ていて本当に大変でした。

こうなってくるともうお金の問題じゃありません。

実際に機械についている職人さんたち(良いよ、大丈夫だよと言ってくれましたが)の労力を考えると、本当の申し訳ないです。

 

結局途中でこの注文は断りました。

コンサルティングしているデザイナーなら、そのホテルが納得するきちんとした色を出してくれればよいのに、思いつきのようにいろいろな色で浴衣を作るのはもうたくさん。お金を払うから良いでしょ、と言われましたがそうゆう問題じゃない。

 

 

 


1反だけ相撲浴衣のオリジナル柄の場合、できるか出来ないかというと先にも挙げたように”出来ます”。

 

でもプリント用の型代、1色に付き1型欲しいのですが、1本48,000円~。

それに実際にプリントして反物に仕立てて、2万円以上かかるかな。

 

着物屋さんで浴衣反物を購入すると、3万円~4万円。ちょっと良い反物だと5万、6万します。

そう考えると、世界に一つだけのオリジナルの反物で7万、8万円でできるのは、安いのかもしれません。

でも「1反だけ」とか「最小ロットで」とか言ってくる人は、できるだけ払う金額を少なくしたいという意図がありますので、7、8万円でできると言っても「それはちょっと・・・」ということになります。

 

 

ある程度こなれた価格を出すには、それなりの”量”が必要です。

じゃあどれだけの量が必要かとなると、やはりデザインだったり仕立てだったりと出来上がりイメージが決まっていないとなんとも言えません。

 

あまり浴衣に馴染みにない人も多いですので、最初にどのようなものがほしいのかを相談してくださると助かります。

いきなり「浴衣いくら?」みたいに聞かれても、ユニクロやしまむらに行って「洋服いくら?」というのと同じです。

 

弊社では、デザイン・仕様が決まってから、数量ごとに見積もりを作ります。

その見積もり価格をみて、どのくらいの量を作るのかを決めてください。