今年も「きものサローネ」が東京国際フォーラムにて開催されました。
「きものサローネ」はカジュアル着物のお祭りです。
言い方を変えれば「普段着」としての着物のイベントです。
なので「10月~5月は袷を着なくてはダメ、単衣は6月、9月、7月8月は絽や紗の着物」というようなルールに縛られない着物のイベントです。
要はTシャツやポロシャツ、ネルシャツに相当する着物ばかり集めているわけです。
カジュアルな着物ばかりということは、ホント派手で華やかな着物ばかり。
それに合わせて、帯も小物も派手で華やかなものばかり。
会場にくるお客さんも、ここぞとばかりに派手で華やかな着物を着た人ばかり。
とにかく右を見ても左を見ても楽しくなるような華やかなものばかりで、とても楽しいイベントです。
一般的な着物のイメージでは、品のある伝統的な衣類のイメージが強いのですが、この会場にくるとイメージがひっくり返ります。
着物を着たことがない人でもこの会場に来れば着てみたい、このデザインなら着物を着ても良い、と思えるようなモノが揃っています。
ちょうどこの日は、11月なのに「夏日」の予報が出ていた日です。
実際に最高気温が26℃。
着物のルールなら正絹の袷の着物を着なくてはいけません。
でもこの暑さの中だと袷の着物だと暑すぎです。
楽しいイベントなのに我慢大会することはありません。
今回自分の着物は、木綿の単衣、しかも薄手のモノ。
朝晩は冷えると思い、羽織を持っていきましたが会場内では脱いだ切りとなりました。
木綿の単衣の着流しなんて、9月くらいの格好です。
でも、コレでも暑かったぁ。
本当なら正絹の着物を着たいのに、こんなに暑いと着られません。
正絹の着物が汗まみれになることを考えると、木綿の着物に落ち着いてしまいます。
今、着物業界は着物離れが進んでいることを危機感をもってみています。
けど自分の感覚から見ると、着物に興味を持ち着物を着だしている若者も多く、着物ブームではないかと思っています。
ただ一昔のように何十万もする着物がバンバン売れる状況ではありません。
お金をかけず、古着などで自分の着たい着物を着る、こんなスタイルが主流でしょうか。
今まで着物屋に行くと店員がつきまとい、何十万もする着物をローンで買わせる、みたいな商売のやり方が通用しなくなり、慌ててどうしようどうしようと言っている人が多い気がしています。
きちんと品質に合ったものを適正価格で販売しているところは、着物危機というほど危機ではないと思います。
着物は形が決まっています。
あとはどうゆうデザインなのか。
まず、着物を着たことがない人が着てみたいと思うようなデザインが必要です。
そして徐々に派手なものばかりでなく、品とか質とかを意識して色々な着物を着ていけば良いと思います。
その入口としての「派手な着物」のイメージとして、きものサローネはとても良いイベントだと思いました。
また来年も楽しみに行きたいと思います。