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本仕立て浴衣の納期

今年も徐々に浴衣の注文が増えてきました。

 

改めて、「生地」「染め」「縫製」の各工場に現状を確認したトコロ、とてもよろしくない状況であることがわかりました。

最大の原因は、人手不足。

新型コロナ禍の最中に、たくさんの工場が閉鎖となりました。

そのため新型コロナ禍が開けた後の急な需要に答えられず、昨年はたくさんのお客様へご迷惑をおかけしてしまいました。

閑散期である”冬”の間になんとか立て直しができるのではと思っていたのですが、思ったよりも新型コロナ禍で受けた傷跡は深くて未だに立て直しができずじまいになっています。

 

 

浴衣姿

ざっくりと、

 

本仕立浴衣用に使われる「特岡」生地の在庫が追いついておりません。

昨年末にかけて若干の在庫が溜まってきましたが、年明けの需要で在庫はなくなりました。

今は出来上がってくるのを順番待ちしている最中です。

 

プリント工場は特に問題なく動いています。

 

注染工場は注文が集中していて、浴衣だけじゃなく手ぬぐいも出来上がりが遅れている状況です。

注染は手作業なので人が必要です。

ですが新型コロナ禍の最中に工場を持たせるために人員をカットしました。

その減らした人の分、仕事が回らなくなっています。

 

弊社では、手ぬぐいは地元”浜松”だけでなく”大阪”にも注文を出しています。

ですが大阪は新規注文は受け付けてくれません。

浜松も納期が遅れ遅れとなっています。中には6ヶ月遅れの案件も有るみたい。

 

 

 

注染工場

そうそう、先日オリジナル柄の注染浴衣のお問い合わせをいただき、色々と工場に掛け合ったのですが、結局間違いないところでの納期は「5ヶ月」になりました。

その時のお問い合わせは「1ヶ月でできないの?まだデザイン決まってないけど」だったので、話にならずお断りしたのですが・・・

 

お問い合わせいただく際、「最短でどのくらいかかりますか?」みたいな事をよく言われますが、最短って非常に不安定な要素がある中での賭け事みたいな納期だったりします。

なので、「◯月◯日に使いたいんだけど大丈夫ですか?」みたいな、期日をはっきり言ってくれたほうが、できる確率が上がります。

はっきりとした納期がわかっていれば、それに向かって間に合わせられるよう様々な手段を使う事ができます。

 

ざっくりと「最短で・・」だと、作る方は困ってしまいます。

基本的に来ている仕事はすべて「最短」で作っているのですから。

 

 

整理工程

プリントや染めが終わったらすぐに縫製に入れるわけではありません。

生地のシワを取り、巾を一定にする「整理」という作業が必要です。

 

以前は整理工場があり、そこで整理をやってくれていました。

ですが今は整理工場がありません。

染工場で整理作業をやるようになってくれましたが、その分人を増やしているのではなく、染めが一段落した後に整理をやっています。

そのため染めやプリントが終わってから、約1ヶ月ほどの時間がかかっています。

 

 

整理が済んだ生地を縫製工場に持ち込んで、いよいよ浴衣に仕立てていくわけですが、今縫製工場もいっぱいです。

新型コロナ禍の最中、何軒もの縫製工場がやめてしまいました。

注文がないため人を減らすしかなく、人がいなくなれば縫製もできません。

まして繊維業界は、人を人とも思わないような激安工賃です。

なので仕事がなくなるとどんどん人が離れていってしまいます。

「最低賃金?なにそれ、美味しいの?」みたいな使い方をしてきたツケが回ってきたのでしょう。

でも「そうは言っても、昔みたいに安くやってくれる工場は無いの?」と未だに言っているお客さんがほとんどだったりします。

 

色々と話しがあっちこっち行ってしまいましたが、縫製も以前の倍以上の時間がかかってしまいます。

 

 

 

ということで、このHP内の納期の表記も変更いたしました。

お客様にはご迷惑おかけいたしますが、よろしくご了承をお願い致します。

 

また困っている方は直接お電話ください。

その方が対処が早いです。