注染にしても旅館浴衣のような顔料プリントにしても、ずばりそのままの染料や顔料があるわけではなく、その都度調合して色を作ります。
もう一度言います。
その都度、調合して色を作ります。
じゃあ、何をスケールにして色を調合するのかというと、紙にプリントしたものを使います。
タブレットとか、PCの画面とかではなく、「紙にプリントしたもの」を使います。
ちょっとくどかったかもしれませんが、実はなかなか理解していただけない部分なのです。
あときちんと言っておきたいのは、PCやタブレットの場合、モニターによって色が違って表示されます。
さらにプリンターごとに色は違って出力されます。
厄介なのが、プリンターの場合、間を置いてプリントすると同じ画像でも違う色で出てきたりします。
と言っても「赤」が「青」く表示されるわけではありません。
「赤」が「エンジ」になったりするような微妙な色の違いになります。
実際にあった件で言うと「ティファニーブルー」が「ターコイズ」に表示されたりと。
ということを踏まえて、浴衣を染める(プリントする)場合は、お客様からプリントアウトしたものを送っていただくか、弊社からプリントアウトした物を送って確認していただくか、とにかく共通の実物の色見本を用意して、それを色づくりのスケールにします。
実際困っているのが、上記のような機器に寄って表示される色が異なるということをわかってもらえないケースが多いということです。
色の見本を・・・とお客様に話したところ、メールでCMYKを送ってきたりとか、JPEG画像を送ってきて「そちらでプリントして」とかおっしゃったり。
モニターやプリンターごとに出力される色が違うと言っても、「じゃあどうすれば良いんですか!」と言われたりします。
郵送で送ってください、とお話したら、「ああ郵便というやり方があったね・・・」
浴衣の製作は一昔前のアナログな部分が沢山あります。
確かにデザインデータはメールやクラウドを使うようになり、そのデータを作るのもPCで作ったりしますが、実際に現場で手を動かす部分がほとんどだったりします。
一つひとつの作業ごとに一番適した形でほしい情報を提供するのがベストだと考えています。
注染にしても顔料プリントにしても色づくりの際には、紙に出したものを基本として色を作りますので、紙に出力したものが必要となります。
追記として、
プリントアウトした物は、時間や紫外線などで色が変化していきます。
なのでカバーを付けることが必須です。
実際に、後からクレームとなった事がありました。