先日、ネットニュースでタレントのトリンドル玲奈が旅館で浴衣を着ている写真が流れてきて、そのときに着ていた浴衣が伝統的な白地に紺色の縦縞の浴衣で、それがよく似合っていてとてもかわいかったのですが、多分浴衣の柄も大きく関係しているんだと思いました。
以前も何回かブログに書いたのですが、白地に紺色の伝統柄の旅館浴衣は着ている人をきれいに見せます。
もっというと、顔をきれいに際立たせます。
以前ドラマや映画に携わっている衣装のコーディネーターの方がおっしゃっていた通りで、俳優の方々に着せるなら絶対白地に紺色だそうです。
浴衣は日本独自の衣服で、特に浴衣は下着に極めて近い衣類であり、「黄色人種」「黒髪」「黒い目」の人が屋内で着るもの、というシチュエーションが決まった物です。
また伝統柄というのは、いまでこそ古臭いと言った良くないイメージがありますが、日本人皆が着物を着ていた時代に作られたデザインですので、それが未だに残っているものですから日本人が似合わないわけがありません。
ただ最近良く思うのは、衣類として着ている人よりもコスプレとして着る人が多くなっていると思います。
普段浴衣を着られない代わりに、旅館で浴衣を着る・・・・
本仕立ての浴衣と旅館浴衣は全く違うのですが、なぜが同じものとして見られている・・・・
コスプレとして、普段着られない浴衣を、旅館やホテルに泊まったときに着る、なので似合う似合わないは関係ありません。
むしろ普段自分が選ばないような色合い、デザインの物があればそれでよいというわけなのかな、と思います。
それを写真に撮りSNSに載せるわけで、実際に容姿で売りに出しているような人はともかく、普通の人でしたら多少似合っていなくてもまぁいいねを押しておこう、だったりします。
最近、旅館浴衣のデザインを頼まれることが多くなってきましたが、そこで思ったことの一つが、浴衣のデザインだけで完結するようなものを求められやすい、ということです。
当たり前の話ですが、旅館浴衣は泊まった人が着て、帯を締めて、茶羽織とか陣羽織とか羽織を着て、館内で過ごします。
浴衣だけで存在しているのはなく、いろいろな物が付属します。
何が言いたいかというと、浴衣のデザインは少し物足りないくらいのほうが、人が着て帯を締めて羽織を羽織ったときに完結する、ということです。
浴衣だけで完成されたデザインは、人が着て帯を締めただけでモリモリ過ぎて煩わしくなります。
あくまで、人が着て帯を締めて羽織を着て完成するようなデザインでないと、いけないと思います。
今年も盆踊りや花火など浴衣を着る機会が多くなってきました。
洋服にTPOがあるように、着物にもTPOがあるようにがあり、浴衣だってTPOがあります。
旅館浴衣と本仕立ての浴衣の違いだけでなく、盆踊りなどの踊るときに適したデザイン・生地の浴衣もあれば、夜の街で遊ぶときに適したデザイン・生地の浴衣もあります。
当然のことですが、洋服だってスポーツする時のモノと呑みに行くときの服は違うわけで、浴衣だって違います。
じゃあ、どんな浴衣がどんな所に適しているの?と聞かれる方もいらっしゃいますが、そればTPOそのモノであり、男女によっても年令によってもそれぞれ違うわけで、決まりがあるわけではありません。
普段の生活の中で個人それぞれが感じることじゃないでしょうか、洋服と同じ様に。
まして浴衣なんてルールがあるようなものではありません。洋服で言うところの「Tシャツ・短パン」くらいの気軽なものなのですから。
ただやっぱり旅館浴衣でも本仕立ての浴衣でも思うのは、伝統的なデザインがしっくりときます。
先にも書きましたが、日本人みんなが着物を着ていた時代から作られて、それからずーっと残ってきたデザインなのですから。