「浜松盆部」という集まりがあります。
盆部の”盆”は”盆踊り”の盆です。
その「浜松盆部」のイベント「踊る!えんの市」に行ってきました。
盆踊り=浴衣を着た人がいっぱい、という使命感からではなく、単に踊りが好きだから踊りたいなぁ、くらいの気持ちからの参加でしたが、そこはやっぱり浴衣を取り扱っている者として浴衣姿の方々に目が行きます。
「郡上おどりに行った」ときにも書きましたが、浴衣は踊り用に合う浴衣と合わない浴衣がある、ということがわかりました。
こんな事言うとあまり良く思わない方もいらっしゃると思いますが、これをきちんと把握しなくてはいけないのは自分のようなプロの人間の話です。一般の方々は、基本的に好きな浴衣を着ればよいと思います。ただ売り手として勧めるときに頭の中に入れておく必要があるということです。
「踊りに合う浴衣」「踊りに合わない浴衣」の違いは、デザインの違いになります。
仕立が違う、とかそうゆうことではありません。
今回の「踊る!えんの市」は浴衣のレンタルがありました。
ですがレンタルとして提供された浴衣は、踊りに合う柄の浴衣ではありません。
昼間の光の下で見るには特に良し悪しもわかりにくいのですが、日が落ちてから見ると良し悪しが出てきます。
盆踊りとなると夜に踊ります。
となると、やはり夜によく見える浴衣が良いのでは、と思います。
「盆踊りのときにあまり良く見えないデザインの浴衣」と言っても、実はよく見える、よく見えない、がわからない人が多いのも事実です。
好きな浴衣を着るのが一番、というのは間違いないのですが、でもどうせなら他の人が見てよく見える方が良いと思います。
女性だったら、「浴衣を着ると女っぷりが上がる」と言われたほうが嬉しいはず。
好きな浴衣を着ていっても、結局だれにも浴衣姿を褒められなかった、というのは寂しいと思います。
女性だけでなく男性だって浴衣を着たときには褒められたい。
でね、ちょっと思ったのですが、今浴衣を着る人も少なくなっていて、売り手としては「浴衣の1枚でも持っている方が良いですよ」みたいなこと言っていますが、浴衣好きとしては最低2枚は必要です。
街に遊びに行くときに着る浴衣、踊りに行くときの浴衣、じゃなくてもTPOに合わせて着る浴衣を選ぶには、1枚だけしか無いのはっころもとないことです。
洋服だって、行く場所に合わせて変えるのが当たり前ですし、じゃあ浴衣だって同じことです。
当然浴衣は価格も高いものですから、たくさん買い揃えられるものではありません。
ユニクロやGUで売っているような洋服の価格ではありません。
でも価格で服を選ぶのではなく、着ていく場所で服を選ぶのは必要なことだと思います。
使い捨ての洋服と同列で浴衣を見られるのは、ちょっと違うかなぁ、と。
ある程度の社会人としては、きちんとした浴衣を持っているのは大事じゃないかな、とも思うのです。
なんか、自分の欲求不満みたいなコトをつらつら書いてしまいました・・・
やはり自分としては浴衣や着物が好きですので、少しでも和装に興味を持ってくれる人が増えてくれれば嬉しいし、こういった盆踊りみたいな機会も増えてくれるのも嬉しいことです。
ただね、浴衣の着付けにはずっごくこだわって「きれいに着られない・・」という人は多いのに、TOPやデザインに拘る人が少ないのはとても残念。
で、洋服だとTPOにこだわるのに、浴衣だとこだわらなくなるのもとても不思議です。
浴衣はしょせん浴衣、洋服で言うところのTシャツ・短パンに相当するものなので、もっと自由に着ればよいと思います。
浮世絵見たって、そうそうちゃんと着ている人はいないのだから。
あと内緒なんですが、売り手側に浴衣好きな人ってそんなにいません。
商材としての浴衣、みたいな人が多いのも残念だったりします。