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どこまで細かいデザインができるか

オリジナルの浴衣のデザインを相談されるときによく聞かれるのが「どのくらいまで細い線が出ますか?」。

 

先日ご注文に炊きました浴衣で、かなり細かいデザインのものがありました。

こちらのデザインは、持ち込まれたデザインです。

弊社でデザインするものとは違って、かなり細かい線を使っています。

 

 

こちらの浴衣は、顔料プリントです。

一番細い線は1mmありません。

 

顔料プリントなら何処でやってもこんなに細かなデザインができるのか、というとそうではありません。

この浴衣のプリントのときに立ち会いをしましたが、色々なワザを駆使してプリントを行っていました。

いやホント、出来上がってきたときに、「凄いね!」と声が出ました。

 

 

ただこんなに細かいデザインが浴衣にしたときに重要になってくるかというと、じつはそうではありません。

 

 

見てわかる通り、ちょっとはなれてみると細かい部分はみえません。

というよりゴチャゴチャしているだけになってしまいます。

 

浴衣は人が着るものです。

人が着ればシワも寄るし、動いていれば細かな柄は目に入ってきません。

 

やっぱりある程度の大きさがないと良いデザインには見えません。

 

 

デザインしていると、どうしても細かさにこだわりたくなるときがあります。

それが地紋だったりするとよいのですが、柄の中の細かい部分となると果たして仕立てた時によく見えるのか、とても疑問に感じます。

 

先に上げた写真のように、少し離れてみた時にどうみえるか、やはりそれが大事です

 

個人的にですが、浴衣のデザインをする時には必ず浴衣に仕立てて人が着た時によく見えるか、それを考えます。

以前にも記事に書きましたが、デザインだけで完結すると人が邪魔になります。

デザインだけでは完結せず、人が着て完結することがデザインを作る上で大切だと思います。