・複数の注染工場と提携しており、制作する浴衣のデザインによって、一番合った技術を持つ工場にて染めを行う。
・染めに立会い、色の確認をする。
●特徴
浴衣本体価格 | : | 17,000円~ |
型代 | : | 37,000円~ |
ロット | : | 12枚~ |
納期 | : |
約5ヶ月(応相談) |
●注意すること
・染料を使うため、漂白剤のような化学薬品に弱く、旅館浴衣のように業務用として使うには不適当です。
・生地を蛇腹状に折りたたんで上から染料を注ぎ込みますので、折り目毎にデザインが鏡に写したような逆向きのデザインになります。 文字、企業ロゴなどを入れた場合、折り目毎に反転することをご了承下さい。
・男性用浴衣に多い、縦縞のような折り目を跨いだ柄はできません。>>詳しくはブログにて
・地色を薄い色にする場合、最低ロットが24反(24枚分)になります。 >>詳しくはブログにて
●説明
伝統的な浴衣の染め方です。本染めと呼ばれる染料を使った染めに、注染も相当します(他には捺染もあります)。
蛇腹状に生地を折りたたみながら染まらない部分には糊を置き、色をかえるところには糊で土手を築き、上から染料を流し込み染めていきます。通常色を替える場合は、染め型も変えますが、注染は一つの型で多色染めができる方法です。明治時代に大阪で発明された染め方ですが、一度に大量の染めが出来る事から画期的な染め方とされました。
色が重なる場合は”細川”という技法もありますが、細川の場合も2回が限度。3回以上の場合は、不良の率が跳ね上がるため、あまり行われません。
●納期 (目安です。急ぎの場合など、その時の状況に合わせて対応いたします)
イベントで作られた注染生地です。
裏まで同じように染料が抜けているのが、注染の特徴です。
1、染め型の下に生地を置きます。
2、生地の上に染め型を置き、糊をのせていきます。糊がのったところは染料が入らないので、白いままです。
3、糊をのせ終わったら染め型を上げ、型の幅に生地を折り返します。
4、糊をのせ終えたら、染める色ごとに糊で土手を作ります。違う色を使う場合、この土手の分だけ色と色の間隔を開ける必要があります。
5、それぞれの染料を上から注ぎます。土手があるので、色が混ざることはありません。
・注染で使われる染め台
上から注ぐ染料をきれいに下まで抜くため、真空ポンプのついた台で染工程を行います。
蛇腹状に折りたたんだ生地に、上から染料を注いで染めるのが注染です。一度染料を注いだら、ひっくり返して裏からも同じように染めます。これで表裏無くしっかりと染まります。
また注ぐ際に違う色の染料をデザインの端と端から注ぐとグラデーションにする技法も注染ならではの技法です。
こちらの型紙に木枠をつけて、注染に使われます。
型(染まる部分)の大きさは、
39cmX100cm
デザインを起こすときも、この大きさになります。
・折り返し部分
下記の線でもって鏡で写したような対照になります。
「鏡で写したように対照になる」ということは、当然文字も逆になります。
逆になることはわかっているため、最初のデザインから逆向きの文字を入れて作ります。逆向きの文字がところどころ入っていれば、当然出るところによってきちんと見える文字も出るということなります。
注染を知っている方は(お年寄りが多いのですが)文字が逆になっていると、「お、染めの浴衣だね」と高評価でみてくれます。
・実際の浴衣でみると
※注染のデザインについての留意点(2021.5.20)
注染工場から「染める時の折り目を跨ぐようなデザインは基本的に染めない」との連絡がありました。
注染は蛇腹状に生地を折りたたんで上から染料を注ぐ染め方です。その折り目を跨ぐようなデザインの場合、折り目部分で繊維に沿って染料が入り込んでしまい、にじみとなってしまいます。
昨今、安いプリント浴衣が増えたためプリント浴衣に馴染んでしまった大型販売店などから、このにじみがクレームとされるようになりました。にじみは注染で染める場合仕方のない物であり、知っている方ならにじみも含めて注染であると見てくれていたのですが、いまではクレームの対象と見なされるようになりました。
そのため、折り目を跨ぐようなデザインは基本的に染めない、事となりました。
もちろんにじみをきちんと理解してくださる場合は、今まで通り染めを行います。