浴衣のデザインについて


浴衣のデザインは、基本的に総柄(追いかけ柄)と呼ばれる、同じデザインが繰り返し出てくるデザインとなります。

 

ロゴやキャラクターなどのデザインを指定した場所に出す(背中にロゴを、左胸にキャラクターを、など)デザインの浴衣は、「絵羽浴衣」という特殊な浴衣になります。

 

デザインを作るにあたっての注意点

  • 上下のない柄にする。
  • デザインの上と下がつながるようにする。
  • 染めと捺染(プリント)で作ることができるデザインが違うので、それぞれに合ったデザインにする。
  • あまり生地の端までデザインを入れると、仕立てた時に縫い目に入ってしまうので、中央寄りにする。

 

浴衣は洋服のように、前のパーツと背中のパーツを肩で縫い合わせるわけではありません。

同じ生地が、正面からぐるっと肩を越えて背中まで続きます。

ですので、上下の無いデザインにしないと「正面からは良かったのに、背中にまわるとロゴが下を向いている。」と言ったことになってしまいます。

 

注染(本染め)浴衣のデザイン


注染とは伝統的な浴衣の染め方です。

一つの型で多色刷りができることが特徴です。

 

型一つで多色染めが出来ます。

また色をぼかしたデザインができるもの特徴です。

 

注染の染め方


デザインは、型の大きさになります。型は台の大きさと同じくらい。

図のように生地を折りたたんで染めるため、折りめには若干色が濃くつきます。

(昔の人は、この折り目がある=本格的な染め、とみなしたそうです。)


また折り返しての染めのため、正逆のデザインが交互に出てきます。

文字の場合は、あらかじめ逆文字を入れておきます。


注染 デザイン

旅館浴衣のデザイン

 旅館浴衣のほとんどが顔料プリントとなります。

プリントは、円筒形の型が回転して生地にプリントされて行きます。


旅館浴衣の型イメージ

デザインを起こす時に気を付けないといけないのは、上下のあるデザインにしない事

上下があると仕立てた時に、前後ろに正逆ができてしまいます。

 またデザインの上下が必ずつながるようにしないと、型に起こした時にちぐはぐになってしまいます。

浴衣のデザインの注意点

・型は1色につき1型必要です。(1色の場合1型、3色の場合3型)

・プリントをする機械には、型をはめるところが3つしかありません。

 そのため最大3色までしか、色は使えません。

・濃い色をベタで乗せると、使っているうちに毛羽が目立つようになります。

 濃い色のベタ部分には地紋を入れて、毛羽立ちを目立たなくするようにします。

・洗濯を繰り返すと、色の汚染が生じる場合があります。

 汚染しても大丈夫なよう、色の配色を考えます。



型の大きさは、生地巾と同じです。生地に「小巾」「二巾」「三巾」とあるように、型も「小巾」「二巾」「三巾」があります。それぞれの型のデザインは、以下のようになります。

 (スクリーンロール用)

  • 小巾用 : 36cm×40cm
  • 二巾用 : 72cm×64cm
  • 三巾用 : 108cm×64cm

 

  ※金属ロール用の場合は、デザインの大きさが異なります。

 

旅館浴衣 デザイン
旅館浴衣 デザイン